イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

帰ってきた息子が食べた英国のソウル・フード、国民的ブランドの所有者は日本企業だった!

2023年09月05日 07時00分00秒 | 英国の食べ物、飲み物

久しぶりの、英国の食べ物です。

まず、おなじみのフィッシュ&チップス fish &chips

先週末、1週間うちに滞在した息子が酷暑のスペインに帰りました。

涼しい英国の夏を満喫してもらいたかったのですが、雨降りが多く、ちょっとかわいそうだったかもしれません。

昨日、一昨日と続いて一転、カラッと快晴で気温は28℃まで上がり、冷房がないのでちょっと暑苦しい一日でした。

...さて、食べ物の話に戻ります。食生活がかなり違うスペインから帰った息子はやたらに英国の庶民的な食べ物を懐かしがります。

缶詰の成型ハム、スパム Spam 日本にもありますよね。1950年代ごろ英国で大人気だったというレトロなアメリカの加工食品です。

私は家で子供たちに食べさせたことがないにもかかわらず、息子にとって懐かしの英国の味だそうです。

学校で食べたそうです。同じものを教室で食べる日本の学校給食と違ってダイニング・ホールで好きなものを取って食べる「スクール・ディナー」です。

息子が作って豪快に食べた朝食です。私にもぶ厚い3切れをフライパンで焼いてくれました。マンチェスターに留学中、私も学食で食べた懐かしい味です...が、自分で買ってきてまで食べたくないような...さすがにこの年になるとオモいです。(言いたくないけど、年ですね)あまりにもこってりしすぎていて目玉焼きは遠慮しました。

ソースはもちろん、HPソース HP sauce。日本のブルドック・ソースより酸っぱみとかすかなえぐみが勝っているブラウン・ソースです。

今は亡き老ネコ、ホレイシオの写真が懐かしい以前に書いた記事のリンクです☟

おなじみのテーブルソースのラベルのデザイン...国政の中心、ロンドンの観光名所の現在の状態を見事に反映!!

 

そして、息子の大好物の、バルセローナでは手に入らないというブランストン・オリジナル・ピックル Branston Original Pickele

細かく刻んだスウィード(アメリカ英語ではルタバガと言うカブのような根菜)、ニンジン、タマネギ、カリフラワーを砂糖、麦芽酢、トマトとリンゴのピュレ―、秘密のスパイスに漬け込んだ(pickled)甘酸っぱいチャツネー chutney です。甘さのほうが酸っぱさより強いかな。口当たりはニチャニチャしています。

チャツネーとは、インド由来のスパイスを利かせた「野菜のジャム」みたいなものと言ってもいいかもしれません。

とても英国らしい付け合わせです。

チーズに載せてサンドウィッチとして食べるのが一般的ですが、チーズ用のビスケットに(チーズあり/なしで)塗って食べてもおいしいです。日本のカレーにも合いますね。インドでは本来、辛いカレーの付け合わせとして食べられたのがチャツネーだそうですから。ハンバーガ―に載せるのもいいかもしれません。

息子は、キムチのように炊飯器で炊いた日本のご飯と一緒に食べたり、スクランブルドエッグ(炒り卵)に混ぜたたり...え(気持ち悪い)!と思うような食べ方もします。もうなんでもありのようです。

ウィッキピーデアから勝手に借りた、英国のパブ・ランチ、プラウマンズ・ランチ ploughman's lunch の代表的な盛り付け例です。

パンとチーズと生野菜とピックル・チャツネーを一皿で供する冷たい昼食がプラウマンズ・ランチです。

プラウマンとは畑で鋤を馬にひかせる農業労働者のことです。野良で食べる冷たいランチ、ということですね。

ピックル製造各社がそれぞれ違う野菜のチャツネ微妙に違うレシピで製造販売しています。

.

息子が来る前に買っておいた360gの小瓶は2日で消費しつくされました。(私も少し食べましたが)自分で買ってきた同サイズも3日ともたず、3瓶目を食べつくす前に帰国しました。

ヨーロッパ間を移動する格安の機内持ち込み手荷物のみの航空チケットでは持って帰れません(液状物は機内持ち込み禁止ですから)

息子は一昨年、スーツケースをチェックインする格安ではない便で帰省、持ち帰るために720gの特大サイズを購入したのですが、重すぎてその時も置いて行ったのでした。

以来、その720gを私1人で1年かけてちょびちょびと食べ続けました。

...以外と、長いこともつものですね。合成保存料がちょっと心配です。半分ぐらい残った今回の3本目、息子がまた来る頃にはもう1瓶また買ってやることにして私がまた、食べちゃいます。

材料をチェックしようとラベルを見てみたら。ビックリ!製造元(というか、ブランド保有者)は日本のミツカン Mizkan でした!!

そして...これも息子がスペインで夢にまで見たというフィッシュ&チップスを食べて以来、テーブルに置きっぱなしになっている...( 上の朝食写真も参照)

英国を代表するモルト・ビネガー(麦芽酢)製造ブランドのサーソンズSarson's(創業1794年)も手に取ってラベルを見てみたら...ブランド所有者はやはりミツカン!

そう言えばサーソンズの買収はずいぶん前に聞いた記憶がありますがなぜか忘れていましたし、ラベルを見て確認したのはこれが初めてです。

調べてみたら ブランストンと同時...2012年のことでした。両ブランドとも、それ以前にもブランド所有権が国際大手食品会社、ネスレィからプレミア・フーヅへと移動しています。味ぽんのミツカンって、グローバルな国際企業だったんですね....

同時に、パブで見かける各種おつまみピックルでおなじみ、ヘイワーズ Haywards もミツカンに買収されていました。ミツカンの所有下にマンチェスターで製造を続けています。...マンチェスターに拠点を置く会社だということを今まで知りませんでした。

かつて、世界の最先端を行っていたという日本のエレクトロニクス産業や自動車産業はこの頃どうも押され気味だと聞きましたが、酸っぱい食品産業が国際的に健闘しているんですね。

ラベルを見てブランストンは2022年に創業100年だったということを知りました。

サーソンズとともに国民的ブランドです。日本の会社に買収されたことを知らない人が多いんじゃないかな。Mizukan のロゴがあくまで小さく控えめで、安心しました。

息子が滞在中に食べた英国のソウルフード、続きます。

 

コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする