イングランド北東部の有名な観光地、ウィットビー Whitby 、続きです。(4回目)今日は番外編、イヌの話題をお届けします。
ベッド&ブレックファースト(B&B)のご主人が犬の散歩から帰ったところです。私たちは出かけるところでした。
(写真奥に海岸の水平線が見えています)
ボクサー・ドッグのオスカー(手前)とレイア、いっしょに生まれた12歳の高齢の兄妹だそうです。
ウィットビーに滞在中、ものすごい数のイヌを見かけました。本当に、膨大な数のイヌ連れが町中にあふれていました。
スコットランドとの国境の町、同じく北海沿岸の歴史ある町、ベリック Bewrick upon Tweed でも滞在中おびただしい数のイヌを町の中で見かけたものでした。どこの店もパブも、カフェも、行く先々でイヌ連れ歓迎だったのが印象的でした。ウィットビーでも同様でした。
ウィットビーのオールド・タウンの中心、チャーチ・ストリートの古いパブで行きあわせたイヌが全部で4匹(!)写っています。気をつけて探してみてください。☟
私が住んでいるグレーター・マンチェスター界隈では、まだまだイヌを連れてはいれる店や飲食店は限られていますから、ちょっと驚きでした。
ウィットビーでは同じ犬種のイヌ2匹(かそれ以上)連れている飼い主を本当にたくさん見かけました。見かけるたびに写真に撮ろうとしたのですが...実際は、もっともっとたくさんそれこそ40組ぐらいは見かけましたよ。
中には、滞在中、バスに乗って日帰りで行ってみた古い漁村のスタイス Staithes で撮った写真も混ざっています。(行き返りのバスにもイヌ連れ客2,3家族と乗り合わせました)
飼い主が外出中、家に残された飼い犬のストレスは大変なものだという報告をこの頃よく聞きます。他のイヌがいれば寂しさによるストレスが減る、とも聞いたことがあります。2頭以上いっしょに飼うはそのためでしょうか。
スパニエル系やラブラドール、黒白のボーダー・コリーなど長毛で、賢くて気性のおだやかな...どちらかと言うと中流家庭や年配のご夫婦が好みそうな犬種ばかり見かけました。
ストックポートあたりでよく見かける、労働者階級、あるいはいかついイメージの男性がよく連れている脚がガニガニして悲哀感あふれる顔立ちの闘犬系のイヌはぜんぜん見かけませんでした。(例外はB&Bのボクサードッグです)
駅の裏で見かけたグレイハウンドはおそらく引退したドッグレースのレースドッグ(競争犬)でしょう。速く走れなくなったグレイハウンドを殺処分から救って引き取るのもとても中流階級っぽい社会貢献だと言われています。
もう1組...(2匹、プラスお友達が連れていたもう1匹)のグレイハウンドの隠し撮りがイヌ本人にバレました。
ボーダー・テリアを連れていた人のなんと多かったことか!
故エリザベス女王の愛犬として知られる短足犬、コルギーや...
同じく短足犬のダックスフント、そして、今回、1匹だけ見かけたパグを2頭以上いっしょに飼っている人はウィットビーに限らずけっこう多いように思います。
ちなみに、日本でおなじみの犬種名ダックスフントは、英国では全く通じません。英語で、ダッチェスズ・ハウンドと言うそうなのですが、むしろ見た目どおり「ソーセージ・ドッグ」と言った方が通りがいいでしょう。
ところで、イヌ連れにとても寛容なウィットビーとはいえ、やはりイヌ連れ泊はお断りのホテルやベッド&ブレックファーストが多いのではないでしょうか。どう見ても「観光客」らしい多くのイヌ連れはどこに滞在しているのでしょうか。
ベッド&ブレックファーストの奥さんに聞いてみたら、思った通り、床がビニール張りなど「イヌ連れ客専門」の施設でないとイヌを受け入れるのは難しいとのことでした。
滞在したB&Bでは、1階から3階までが宿泊エリアです。(4階の屋根裏部屋は収納階)掘り下げた庭がぐるっとついている、半地下のアパートメントに住んでいるB&Bの経営者ご夫妻は、年寄りイヌの兄妹2匹に宿泊エリアに踏み込ませたことはいちどもないと言っていました。お客の中にはイヌの嫌いな人もいるでしょうから。...そのバランスが問題ですよね。
イヌを連れて泊りがけの滞在をするのなら、一家族で一軒借りる「ホリデー・コテージ(=貸別荘)」か「キャラバン(=キャンピングカー)パーク」、夏ならキャンプ施設を利用するしかないそうです。
...もしかしたら、近隣の町や田舎から日帰りで遊びに来ている人が多かったのかもしれません。
ウィットビー(やその他の町)ではイヌ連れに寛容だという情報が知れ渡っているなら、イヌをどこにでも連れて歩きたい人は喜んで目的地に選ぶでしょう。反対に、イヌが嫌いな人はハアハア言っている雨に濡れたイヌがいるカフェやパブで飲食するのはイヤでしょうから、ウィットビーにわざわざ来ることはないのかもしれません。
「イヌ連れ優遇」をどうやら町ぐるみで選んだらしいウィットビー、私の滞在中の盛況ぶりを見るかぎり上手な選択をしたと言えるでしょう。
大きめのイヌを複数飼いするのは引退していて、そして確実に庭のある大き目の家に住んでいる生活に余裕がありそうな人たち、みたいなイメージがあります。都会でたて込んだ住宅の多いマンチェスター近辺よりはウィットビーの周りの田舎エリアには敷地の広い住宅も多いのかもしれません。
...とは言え、ストックポートから30分もドライブすると行けるピーク・ディストリクトは究極の山岳田舎エリアですが、そう言えば複数飼いのイヌはめったに見かけません...
この写真は、夫が「撮って」と言ったので撮りました。
(セッター風のイヌ3匹連れの男性の写真が撮れて好都合です)
黒いコートの男性が、公衆便所に使用料70ペンスを徴収することに憤って憤懣を誰ともなくぶつけて長演説をしていました。ビデオ撮影している人もいました。
観光地として名高いウィットビーが、観光客から公衆便所の使用料を取るのは呆れたことだと私も思います。のみならず、観光案内所では町の観光地図を1ポンドで販売していました!
英国のたいていの観光地では...と言うか、私が行った他のすべての観光地では(!)地元のビジネスの広告が載った観光地図を無料でくれるはずですよ!
...と言っても、私が英国に来たばかりの30年以上前は、使用料を取る公衆便所はたくさんありましたっけ...管理人のオバサンが常駐して清潔で設備が整っていたので驚いた記憶があります。当時、日本の公衆便所は非常に汚かったものでしたから(トイレットペーパーもハンドタオルも皆無でしたしね)
それと、どうしても気が付かずにはいられなかった事実は...地元の人も、観光客も会う人すべてが白人ばかり!!
こんな話をすると嫌がるだろうなぁ...と思って話を向けてみた夫も同意してくれました。それまでの3日間こっそり気にしていたようです。
やはり「人種の話は滞在中一切しないでくれ」とくぎを刺されましたが...うちの近所や生まれ育ったロンドン近郊ではいかに「多様性」に慣れ切っていたのか徹底的に痛感したと言っていました。
中国人観光客のいない観光地なんてほんとうに2,30年ぶりですっ!ワクチン接種率がとても低いという中国ではまだコービッド(コロナウィルスによる感染症)の影響による旅行規制があるようですね。