日本の組織と日本の憲法ですから、それらについて判断するのは日本人ということになりますが、一方、判断材料については、海外にも目を向けたほうがいいと思います。
なにしろ「戦争」というのは、自国だけではできませんからね。
戦力かどうか、どのように見ているかというのは興味深い点でもあるでしょう(笑)
安保法制が衆議院を通過した時に、海外の報道が見事に一致していたんですね。
「ああ、そういう見方をしているのか」と思いましたが、
あの時は(参議院を通過した時もそうでしたが)、「日本が70年ぶりに(第2次大戦以来)兵士を海外に派遣できるようになった」
概ね、軍隊という言葉は使わず、兵士(soldiers)という表現にしていたと思いますが、とにかく各報道機関がことごとく、そのように伝えていました。
自衛隊そのものはもちろん今までもあったわけです。
しかし、外国で日本の自衛隊を気にする者などはほぼいなかったわけですね。
自衛官の数や自衛隊の装備は結構なものですよ。
しかし、それを脅威だとするのは、せいぜい中国の一部の人たちぐらいで、あとは一緒に戦争をやってほしいアメリカの共和党界隈の人たちが気にしている程度。
何万人いても海外に出なければ、ものの数にはならないというわけですね。
どんなにすごいターミネーターでも
"I will not kill anyone."
と誓っていれば、脅威にならないということなのでしょうかね。
海外に出た場合だとどうかというと、自衛隊がイラクに派遣されたことがありましたが、欧米のメディアは特に騒がなかったですかね。
しかし、現地(イラク)の人は、ちょっと違いましたね。
人質を取られました。国内では「ジコセキニン」の大合唱が起きたりしました。
一応、これは彼ら(イラクの人たち)が状況を正確に把握していなかったために、彼らの中では自衛隊を派遣したことが武力行使することに直結したのでしょう。
だいたい、あれだけ国が混乱していて、オいろんな国の軍隊が来ていては正確に把握することが困難です。
「おい、日本の軍隊が来てるぞ。どういうことだ?戦争しないんじゃなかったのか。そうか、結局やつらもアメリカの手先か。許せんな。これからは日本人も敵だ」
てな具合でしょう。
だいたい、ヒゲの佐藤が怪しいことしていたのですよね。巻き込まれても仕方がないような行動をとって、それで戦闘が発生してしまったらそのまま逝ってしまえ、という感じの。
それは置いておいて、
その後は、自衛隊も外に出ず、しばらく何もありませんでしたが、去年、集団的自衛権を閣議決定したすぐ後に湯川さんが捕まりましたね。そして、湯川さんを探しに行った後藤さんも。
こう見ると、「自衛隊が戦力か否か」というのは、法的に自衛隊が出来ること、あるいは出来ないことをどう定めているか、が重要だということになるのではないかと。
それはつまり、「自衛隊を戦力とみなすことが出来るか否か」よりも「日本という国が『交戦権』を行使するつもりがあるかどうか」にかかってくるように思います。
それであれば、安保法制を通してしまった現在は自衛隊も違憲になったという考え方が出来るでしょう。
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