話は前後しますが、1月16日に完成間もない日本空手道会館で競技規定改正に伴う説明会があり参加してきました。
4階の大道場で説明会が行われるという事で、入ってみるとコートが3面ほど楽に取れそうなフロアに世界大会用のマットが敷かれています。
写真では分かりずらいですが、WKF(世界空手道連盟)のマークがあり、マットの表面は畳の模様が。
日本では「第1コート」などと呼ぶけど、世界大会では「第1タタミ」と呼びます。
理由が分かったような気が
さて、説明会の始まりです。
世界審判の先生と一友会の選手によって実技が行われ、解説を交えながら細かな改正点が説明されます。
で、分かったつもりで帰ってきたのですが…
先日の栃尾の練成大会では午後からの競技をこの新ルールで実施しました。
特に一番多く使われる主審と副審のジェスチャーが難しい
難しいと言うより、今までのジェスチャーをしてしまう
やっぱり、数をこなして体で覚えるしかないようです。
参考までに、全空連から出された参考資料を掲載しますね。
WKFルール改正に伴うJKFルール変更について(参考資料)2009.12
WKFルール変更の趣旨
オリンピック参加を考慮し、より観客が喜び、理解しやすい運用方法及び審判員特に主審の主観による裁定範囲が広くならない形にする。体重階級については選手層のバランスを考慮した。原則的な内容は変わらないが、細かな所の変更もある。
今までのルールと異なる箇所は以下のとおり
第2条
審判は中~ライトグレーのズボンを着用のこと。選手の髪に関しては、リボン、ビーズ、その他の装飾は禁止する。目立たないゴムバンド等は使用可。
カデットは、WKF新フェイスマスクを着用。
〔解説〕近年審判員のズボンの色が黒すぎたり、白すぎたり目立つものが多い。
選手は厳しい規則に従っているのであるから審判も正しい服装であるべき。
フェイスマスクはWKFと指定業者で開発。カデットに必須。
第5条 試合時間
シニア男子組手(団体戦&個人戦)の試合時間を3分とし、決勝戦及び3位決定戦を4分とする。シニア女子組手は2分、決勝戦及び3位決定戦を3分とする。
カデット&ジュニアは2分とする。
〔解説〕現行の時間でメダルに係わる試合を1分増やす。メインの試合を目立たせる狙い
カテゴリー2の反則に関しては、審判の「後しばらく」の合図を前規定の30秒前から
10秒前に変更。
〔解説〕10セコンドルールをより明確にするため。
第6条 得点
得点は、下記のとおり簡潔化する。
3本:上段蹴り及び相手を投げた後の得点技、又は倒れた相手への得点技。
2本:中段蹴り
1本:中段又は上段突き。打ち。
〔解説〕審判の判断によってあたえるポイントが違うものを統一した。
カデット&ジュニアでは、手技による上段への接触(フェイスマスクを含む)は禁止される。上段蹴りの軽い接触(スキンタッチ)は許される。得点とされる距離は、顔面、頭部、頸部より10cm(18歳以上は5cmのまま)。
〔解説〕カデット&ジュニアでは怪我防止を最優先する。
第7条 判定基準
延長戦を廃止し、再試合とする。再試合は、新たな試合とし1分間とする。前試合の得点、ペナルティは全て削除される。勝者は高得点の選手、又は判定により決定。
〔解説〕引き分け後の試合を面白くするため。 残っているペナルティのためにちょっとしたペナルティで勝敗が決まってしまうことを防止。本戦8ポイント差の考え方にならう。
第8条(及び付録3)禁止行為
1回目の負傷の誇張には、警告が課せられ相手に1本。深刻な場合は、反則注意又は反則が、即課せられる。実際の接触・負傷を誇張しているのか、又は負傷していないにもかかわらず負傷したふりをしているのか(その場合は失格)、その違いを見極めることが重要である。
〔解説〕最近負傷を装う選手が多くなってきている。世界大会では誇張には厳しく対処する。10セカンドと同じ考え。
危険な投げ。相手のウエストの下を掴んだり、足を引っ張ることは禁止。投げに関する全ての反則は、負傷が生じなくてもカテゴリー1となる。
〔解説〕禁止されている投げは、投げようとしただけでカテゴリー1の違反である。
“闘いを避ける”ということは、相手の得点の機会を無くすために時間稼ぎをする全ての場合をも含む。
〔解説〕特に競技終了10秒未満のとき即ミニマム警告に該当する。
第10条 試合中の負傷及び事故
10秒カウントがとられた場合、競技者は常に医師の診察を受ける。軽度な負傷、又は負傷がない場合は、適切な罰則が課せられる。
〔解説〕10カウントの時の判断に重要な処置である。
第12条及び付録3
主審は、副審に再考を促すことはできない。主審の「止め」の宣告により、副審は表示した旗を元に戻し、主審が所定の位置に戻るのを待つ。主審は所定位置で試合中断の理由を合図し、副審は最終意見を合図する。その後主審は多数決により判定を下す。
(主審の「ヤメ」は、全て上から振り下ろすのみ、定位置に戻って「ヤメ」の理由を副審に示す。)
〔解説〕再考させて主審の意見を副審に押しつけることのないよう多数決の原則に従う。
詳細ジェスチャーはルールブックに記載のあるジェスチャー(いままでの補助動作含む)をする。
副審の「見えない」の旗合図を廃止する。
〔解説〕「みえない」は副審の意見と考えない。×と紛らわしい。主審に告げるべき意見がないときはそのままにしている。主審の「ヤメ」にしたがい出した旗も、相手側の技が見えなかったときや、確証が持てない場合、一旦降ろした旗を上げる必要はない。
相手を掴んだ後、又は相手との組み合いの後に投げ又は技を出すのに与えられる時間は、
2秒。
〔解説〕2~3秒とあったが、曖昧であるため2秒とした。
カテゴリー2の反則には、胸と胸を突き合わせることをも含む。
〔解説〕最近よく見かける。相手を掴まなくても相手にポイントを取らせないよう振る舞うことはカテゴリー2の違反である。
形
審判員を5名とする。
〔解説〕3又は5名としてあったがWKFでは形審判員有資格者が多くなったので5名と
した。5名の方がよりリーズナブルな判定となる。
団体戦では、3位決定戦及び決勝戦にて分解を演武する。
〔解説〕準決勝で負けたチームも分解を演じるチャンスを与える。観客の為にも分解を多く見せる。
判定の際、主審は審判団に少なくとも5秒間、旗をあげたままにさせておく。
〔解説〕勝ちをコールする係が間違わないため充分に確認できる時間をとる。