文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

もう一つは、海江田氏との会談の内容を中国メディアがどうやって入手したのか、そこもわからない。

2025年01月20日 11時32分06秒 | 全般
本稿は、2025/1/20,日本国民全員が必読である。
以下は前章の続きである。

「ご迷惑をかけてはいけない」
石平
当時の中国メディアの論調は「安倍晋三は反動分子」というもの。
”安倍晋三がけしからん。安倍がそそのかして反中行動をとろうとしている”という論調です。
しかしバイデン氏に関しては、”バイデン副大統領が毅然と安倍晋三の悪辣な提案を拒否した”と、こういう論調で書いていました。
当時、中国の各メディアは「バイデンが本心を漏らした」とも報じました。
バイデン副大統領は当時、安倍首相との会談の前に、民主党党首の海江田万里氏に会っています。
余談ですが、「万里」という名前は本人いわく「万里の長城」から取った名前だそうですよ(笑)。
その海江田万里氏との会談においてバイデン副大統領が「本心を漏らした」と中国メディアは一斉に報じたのです。
バイデン氏が海江田氏との会談で「習近平国家主席は事業を始めた苦しい時期にある。彼に面倒をかけられない」と述べたというわけ。
門田
このとき「添麻煩(ティエン・マーファン)という言葉が出ましたね。
この言葉は田中角栄首相が訪中し、周恩來首相による晩餐会の席で述べた有名なものでもあります。
1972(昭和47)年9月25日、田中角栄首相は人民大会堂で、過去数10年の間、日中関係は不幸な過程をたどってきた、その間、わが国は中国の人民に多大な「ご迷惑をかけた」と述べましたね。
石平
それが「添麻煩(ティエン・マーファン)という中国語に訳されたわけ。
門田
そう訳されてしまって、大変な事態を招いた。
翌日の首脳会談冒頭で周恩来首相が、田中角栄首相の言葉は「中国人の反感を呼んでしまう。中国では迷惑とは小さなことにしか使われない」と問題になった言葉です。
石平
でも、人に「添麻煩」してはならないよという中国語のこのニュアンスは、すごく親身なものですよ。
例えば私は門田さんとは仲がいいですよね(笑)。
だから”門田さんに「添麻煩」したらアカンね”つて、そう使う。
門田
迷惑をかけちゃいかんよと。
石平
門田さんの立場に立って、すごく門出さんのことを思って、門田さんのために発する言葉です。
あの人に「添麻煩」してはならないよというのは、普通、友達同士じゃないと言わないよ。
門田
つまりバイデン氏の発言は、習近平氏のことを慮った言葉だ、と。
中国語の教養が重要になりますね(笑)。
石平
話を戻すと、二つの謎があります。
一つは、バイデン氏が英語でどう話したかがわからないということ。
もう一つは、海江田氏との会談の内容を中国メディアがどうやって入手したのか、そこもわからない。
ただし、このことを12月4日に中国メディアが一斉に報じたのは事実です。
もちろん、中国メディアは墟が多いとよく言われますよ。
しかし、いくら嘘が多いと言っても、さすがにアメリカ副大統領の発言は捏造できない。
さすがにね。
そもそも4日はハイテン副大統領が北京に到着した当日です。
副大統領本人が北京にいるときに、さすがの中国メディアも勝手に捏造できるはずがない。
ですから、この発言は信憑性が高いと私は思います。
結論的に言えば、バイデン氏の習近平氏に対する忖度があるということです。
習近平氏のために同盟国の安全保障も蔑ろにして、安倍首相の提案も無視した。
バイデン氏は「習近平の暴走」の第一歩を許した張本人なのです。
門田
今、石平さんが指摘したことが、今後の4年間の「重大懸念」を象徴的に表しています。

「習近平の軍事的暴走」に加担
石平
バイデン氏は控えめに言って「習近平に対する忖度」がある。
強く言えば「習近平とグル」になっている。
中国の国家主席とグルなんですよ。
つまり、「習近平の軍事的暴走」をバイデン氏が容認したと言うよりも、加担したと言っても過言ではない。
門田
そして、そのときにバイデン家の利益のために”商談”をしているわけですよ。
石平
そういうこと。
だから、そのときにハンター氏を連れていくのは決して偶然ではないのです。
というのは、中国は当然、バイデン副大統領のアジア歴訪を知っています。
日本に行き、中国にも来るとわかっています。
もし、例えば何もないときに、バイデン氏が息子を連れて遊び気分で中国に行くのならまだわかる。
しかし「中国による防空識別圈の設定」の後にアメリカ副大統領が中国に行く。
その肝心なときに息子を連れて行った。
中国の工作がないとは、私はとても信じられない。
門田
その通りです。
重要なのはここです。
互いに副主席と副大統領の立場のときから、二人はずっと友情を交わし合ってきた。
2011年にバイデン氏が訪中、2012年には習近平夫妻が訪米し、そして2013年のアジア歴訪の中で、その総仕上げとして息子を連れたこの訪中がある。
流れで見れば、商売のためにもう話はすでにできあがっていて、ハンター氏のサインが欲しいだけのことだったと、私は想像します。
この稿続く。



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