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札幌地裁は道に88万円の支払いを命じた。警察の萎縮を招く司法の左傾化。安倍氏暗殺の遠因である事は確か

2022年07月22日 22時26分47秒 | 全般
以下は今しがた発見した門田隆将氏のツイートからである。
@KadotaRyusho
今年3月25日、札幌地裁は2019年7月の参院選で街頭演説中の安倍晋三氏に“安倍辞めろ、帰れ”“増税反対”を連呼した男女2人を道警が排除した事に“原告の表現の自由を違法に侵害した”と道に88万円の支払いを命じた。
警察の萎縮を招く司法の左傾化。
安倍氏暗殺の遠因である事は確か
https://www.dailyshincho.jp/article/2022/07221100/?all=1
「札幌地裁ヤジ判決」が安倍元首相の射殺を招いたのか 朝日新聞も読売新聞も言及
札幌地裁「ヤジ訴訟判決」の影響で警察が萎縮、安倍晋三元首相(享年67)が射殺された一因となったのではないか──こうした指摘が徐々に広まり、賛否両論の議論となっている。


 ***

 警察の警備体制を疑問視する声が多かったこともあり、Twitterなどネット上では「札幌ヤジ判決原因説」が拡散。朝日新聞と読売新聞の社説が“対立”するなど、関心は高まる一方だ。

 とはいえ、「札幌地裁の判決」と言われても、全く分からない人も多いだろう。まずは事件の発生から振り返ってみたい。担当記者が言う。

「2019年7月、当時の安倍首相は参院選のため札幌市内で街頭演説を行っていました。その時、男性と女性、合わせて2人が、『安倍辞めろ、帰れ』、『増税反対』などとヤジを飛ばしたため、北海道警の警察官が体などを掴んで後方に移動させたのです」

 朝日新聞がスクープ記事として報じ、毎日新聞などが追随した。更に共同通信も記事を配信し、全国の地方紙が掲載した。

 ちなみに朝日新聞は当初、2人の男女を《市民》としていたが、後に《団体職員の男性(34)と、当時大学生だった労働団体職員の女性(26)=いずれも札幌市在住》と報じた。一方で産経新聞は、男女の実名を報じた。

“勝訴”の地裁判決
「朝日、毎日、共同は、『ヤジを飛ばした市民を排除した道警は職権の乱用。その背景として、安倍政権への忖度があったのではないか』と疑問視する報道を行いました。一方、読売新聞と産経新聞は、当初は記事化を見送ったり、裁判の報道も最小限にとどめたりするなど、慎重な報道姿勢を示しました」(同・記者)

 特に朝日新聞は、自社のスクープだったこともあり、常に詳報を続けた。“キャンペーン報道”と言っていいほどの入れ込みようだった。

 更に、排除された“市民”は法的措置を取った。刑事告訴は不起訴が確定したため、焦点は民事訴訟となった。

「今年3月25日、札幌地裁は『原告らの表現の自由などが違法に侵害された』などとし、北海道に88万円の支払いを命じました。ヤジを飛ばした男女を排除した北海道警の行動は、憲法に違反すると認定したのです」(同・記者)

 興味深いのは、原告側代理人のコメントだった。「憲法判断をせず、違法に精神的苦痛を負わせたとだけ述べて判決を済ませることもできた。踏み込んだ判決だ」と、想定以上の判決が出たと評価したのだ。

社説は配慮!?
 原告勝訴を報じた3月26日の朝日新聞の記事(註)でも、取材に応じた京都大学の毛利透教授(憲法学)が同じように「かなり踏み込んだ判断といえる」と指摘した。

 ところが、「踏み込んだ判断」という評価に噛みついたのが、当の朝日新聞だった。名物コラム「天声人語」は、判決を報じた26日の自社紙面を踏まえ、27日に以下のように批判したのだ。

《原告が憲法判断を求め、裁判所が正面から向き合った。当然のように思えるが、紙面にある識者談話によると「かなり踏み込んだ判断」だったらしい》

 行間から「踏み込んだ判断という分析はおかしい。当然の判決と位置づけるべきだ」というニュアンスが伝わってくる。

 朝日新聞のスクープ記事が、司法によってお墨付きをもらった格好になった。紙面で“自画自賛”したくなる気持ちも分からないではないが、社説では堅実な記述にとどめた。

「朝日新聞が社説『裁かれた道警 許されぬ憲法の軽視』を掲載したのは、天声人語より遅い29日のことでした。北海道警を全面的に批判しましたが、安倍元首相に対する言及は《安倍首相(当時)》という1箇所だけで、配慮したことが伺えます」(同・記者)

読売が社説で反論!?
 だが、安倍元首相が射殺されると、「札幌地裁の判決や、判決を必要以上に支持した朝日新聞の紙面が警察を萎縮させ、安倍元首相が凶弾に倒れる一因となった」との指摘が相次いだ。Twitterの投稿から一部をご紹介しよう。

《朝日自身、この社説の妥当性を検証し、奈良県警への影響をきちんと解説すべきである》

《朝日らの所為で札幌地裁判事「(註:原文は実名)」が「警察は演説妨害者の排除をするな」という愚かな判決を出す土壌が作り出された。それにより警備が甘くなり悲劇に繋がった》

《当時の安倍晋三首相の北海道でのヤジ排除を違法とした札幌地裁も、それを擁護するかのような報道も、間違っていたって事だ》

 読売新聞も7月9日の社説「安倍元首相銃撃 卑劣な凶行に怒り禁じ得ない」で、この問題を取り上げた。ただし、判決についての言及は最小限に抑えられた。

《2019年の参院選では、首相だった安倍氏にヤジを飛ばした男女が北海道警の警察官に排除された。だが、札幌地裁はこの警備が違法だったとして、今年3月、道に損害賠償を命じている》

《要人警護のあり方に検討の余地はあるにしても、容疑者がやすやすと至近距離まで近づいて発砲するまで、何の措置も取らなかったことなど、対応に不備があったのは明らかだ。政府は警備体制の問題点を検証し、発表すべきだ》

朝日は明確に反論
 ネットの論調や読売新聞の社説を意識したのか、朝日新聞は12日に掲載された社説「安倍氏の警備 『失態』検証し説明せよ」で反論した。

《首相在任中の安倍氏の街頭演説に抗議の声をあげた市民を、その場から排除した北海道警の措置を違法とする判決が、この春言い渡された。それが影響したと見る向きが一部にあるが、状況は全く異なる。政治に対する言論による異議申し立てと、無法な暴力とを混同するようなことはあってはならない》

 読売新聞は翌13日、再び社説「安倍元首相銃撃 国際的な視点が欠けている」で判決について言及した。

《前回の参院選では、演説中の安倍氏にヤジを飛ばした男女が北海道警に排除された。これに対し、札幌地裁は警備が違法だったとして道に損害賠償を命じた》

《判決は、ヤジを飛ばした人の「表現の自由」を認めたが、演説を静かに聞きたい聴衆の権利はどうなるのか。判決が今回の安倍氏の警備に与えた影響は明確ではないが、規制の必要性を的確に判断することが重要だ》

 ネット上などで論戦が盛り上がりを見せる中、元警察官僚から「札幌地裁の判決と、安倍元首相の射殺事件は関係がない」という意見が出た。

「萎縮はない」
 弁護士ドットコムニュースは7月13日、「安倍元首相の警備に『ヤジ排除』地裁判決は影響したか? 元警察官僚の弁護士の見方」の記事を配信した。

 この記事で、元警察官僚で警視庁刑事の経験もある澤井康生弁護士は以下のような見解を示した。

《札幌地裁判決は極めて当たり前の判決を下したと評価できます。ただ単に反対意見を叫んでいるにすぎない人物を演説の邪魔だからといって有形力を行使して排除してしまうと表現の自由を侵害してしまいます》

《ヤジ排除事件判決の影響で現場の警察官が特に委縮していたということはないと思います》

 判決内容を伝える朝日新聞の記事でも《踏み込んだ判断》という分析があったことは前に紹介した。朝日新聞の同じ記事でコメントを求められた京都産業大学の田村正博教授(警察行政法)は、次のように指摘した。

《判決も(安倍氏の乗った演説車両に向かって)原告の男性が突然走り出したのを制止したことについては、道警の対応が適法だったと認めた》
甘かった警備
 積極的な警備を評価した部分もあるのだ。改めて札幌地裁の判決文を見てみよう。原告の1人が安倍元首相の乗る車両に向かって《突然走り出した》という行為について、以下のように指摘した。

《演説車両に接近するという物理的な動作を伴い、なおかつこれに向かって突進するというものであって、これを現認した警察官らにおいて、原告1が演説車両の周囲にいる関係者に体当たりやその他の暴行をしたり、演説車両上の安倍総裁その他の関係者に物を投てきしたりするおそれを抱いたとしても、特段不自然、不合理というものではない》

 こうした指摘については、弁護士ドットコムニュースの取材に応じた澤井弁護士も判決文を引用し、奈良市内での警察による警備を、

《容疑者が黙って演説を聞いている時点では未だ不審者とまではいえないので、その段階で職質をかけるのは難しかった》

 としながらも、

《その後に、安倍元首相の背後に回り接近を開始した時点で「安倍元首相に物を投てきしたりするおそれ」が発現したものとして、容疑者に対しては警職法5条に基づく取り押さえ、同時に安倍元首相に対しては警職法4条に基づく避難措置(伏せさせる、現場から隔離する等)を取るべきだったと思います》
と警備の甘さを指摘している。

註:ヤジ排除「表現の自由侵害」 道警側に賠償命令「重要な憲法上の権利」 元首相の演説警備巡り 札幌地裁(朝日新聞:3月26日)



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