有名女優似の美女が接近し、絡みはじめ…ハニートラップを仕掛ける素人系中国人スパイの“驚きの手口”
日本はスパイ天国だった⁉ 人気テレビドラマ『VIVANT』の公安監修者・元公安警察官の勝丸円覚の新著『諜・無法地帯 暗躍するスパイたち』より一部抜粋。有名女優似の中国人美女スパイが“ハニートラップ”を仕掛け、重要情報を絡めとる驚きの手口を紹介する。(全2回の前編/続きを読む)
日本の有名女優似の留学生がハニートラップを仕掛ける
ハニートラップでは中国人女性スパイと懇ろになったりすると、その様子を動画に撮られたり、メッセージのやりとりなどをネタにして脅される。もしくは、その関係のままで、情報をどんどん吸い取られていくようになる。会社員や企業幹部なら、かなり機密度の高い情報も求められるようになるだろう。気がついた時には、もはや断れなくなっている。
私個人としては、ハニートラップについてもともと半信半疑だった。
日本には、中国人留学生が数多くいて、中国大使館の教育処でリスト化されている。
そしてその中から、ハニートラップに向きそうな素人の女性を中国大使館がスカウトしていると見られている。
中国スパイは、「大使館のメッセンジャーとして協力してほしい」と、もっともらしい口説き文句で協力を持ち掛けている。
しかも、先に触れた通り、協力の見返りに「中国に残してきたあなたの両親の年金額を増額しますよ」などと提案する。
これは中国スパイの常套句だが、加えて、協力の謝礼も出すと伝えれば、拒否する人はほぼいない。
そして女性は、パーティの席やバーでターゲットに自然な形で接触して、デートに持ち込んでいく。
こんな例もある。2007年から営業していた京都の祇園にあった中国人クラブは、中国スパイ活動の拠点となっていた。
この中国人クラブの当時31歳のホステスが、常連の陸上自衛隊桂駐屯地の当時53歳の陸曹長と偽造結婚していたとして、公正証書原本不実記載・同行使で逮捕された。
実はこのクラブには、親族に共産党員の幹部がいるとされたママと、若いホステスが7~8人在籍しており、人気店になっていた。
京都のハイテク企業幹部や自衛隊桂駐屯地の幹部も足繁く通っていたという。
企業幹部は、自社製品の情報や人事情報をホステスに見せていたことも判明。
ところが、産業スパイ行為については、ホステスが頑なに否定したことで立件はできなかった。
日本には、全国各地に、中国人女性によるハニートラップの拠点になっているところがある。
東京なら、中国大使館の息がかかっていると見られている飲食店が、歌舞伎町や六本木、池袋にある。
在日中国大使館御用達の高級中華レストランが六本木にあるが、その2階にいくつもある個室は情報活動の拠点になっている。
要は、スパイの巣窟なのである。
そこには女性も常駐していると見られており、ハニートラップに使われている可能性が高い。
秋葉原にある在日中国人を違法に取り締まる「海外警察」
こうしたスパイ行為に加えて、中国は世界中に「海外警察」を設置して、国外に暮らす中国人に、中国共産党のルールを当てはめ、監視や「摘発行為」を行っている。
スペインに拠点を置くNGO団体のセーフガード・ディフェンダーズが2022年9月に公開したリポートでは、中国政府が少なくとも世界30カ国の54カ所に海外警察を作っていると告発されている。
日本国内では、秋葉原にあることが確認されている。
他に可能性があるのは、福岡、名古屋、神戸、大阪、銀座だといわれている。
彼らが監視対象にしていたのは、海外で中国人相手に商売をするなどして中国国内の法律を破っているような人たちだ。
「自主的に」と言いながら半ば強制的に中国に連れ戻して、罪を償わせるのである。
全世界的に直近3年間で数十万人ほどの中国人が帰国させられていることが判明している。