以下はラフの原稿である。
今日は龍安寺のアヤメを撮影に行こうと早めに家を出た。
乗り物は全てお召列車の様にスムーズだったのだが、何と、同行者が駅のトイレにリュックを忘れた事にバスの中で気が付いた。
やれやれ、とんだ弥次喜多道中だね等と軽口を叩いて冷やかしタクシーで駅に戻った。
幸い、無事発見。
帰途、昨日の今日だけれど、カキツバタをチェックしに、と、今日も金閣寺に。
私も友人に負けず粗忽者であることに気づかされた。
昨年7月下旬に清水の舞台から飛び降りるつもりで愛機を買い替えた。
金閣寺の池を半周して水準器に気が付いた。
私は昨日まで、すっかり忘れていて、縦横のマス目の線で天地水平を合わせていた。
疲労困憊して当然だったわけである。
さて、一通り、カキツバタを取り終えて、出口の階段を下りた。
今日は、お気に入りの木を帰りに撮ることにしていた。
とても高い木である。カメラを向けて驚いた。
なんと虹がでているではないか。
まるで金環食のように。
雨も降っていない晴れの日にも関わらず。
100回以上金閣寺を撮影に訪れているが、初めて！の経験だった。
2日続けてカキツバタを撮影に来た私に天からの贈り物、そんな軽口を叩いて、私は、虹が消えない内に、と、踵を返した。
後略。
