神社のお祭りにお供え物は欠かせませんが、どのような道具(食器)を使用しているかご存じの方は多くないのではないでしょうか?
家庭用の普通の食器を用いても真心が減ずるわけではないと思いますが、神社では古式に則った、昔からの道具を用いています。神棚でも同じように使われるものですが、ここで幾つかよく使われる物をご紹介したいと思います。
これは『瓶子(へいし)』と言い、御神酒を入れるためのものです。ほとんどの場合2つ1組で使われています。
一見すると徳利のように見えますが、実は酒を醸造するための瓶を模した物といわれています。銀や錫(すず)、漆器などの材質でつくられることもありますが、白い陶器でつくられるのが最も一般的です。
これは『水器(すいき)』と言い、文字通り水を入れるための物です。
昔は単にお椀型のものでしたが、今は写真のような蓋をつけた形で、水そのものの形を表しているといわれます。そのため『水玉(みずたま)』と呼ばれることもあります。
これは『平瓦(ひらか)』と言い、お米や塩、野菜や魚など色々な物を載せるのに使われます。米と塩、それに上記の酒と水を併せた4種はお供え物のなかでも欠かすことの出来ない、最も基本的なものとされています。
神社内の忠魂碑にお供えされた神饌
来る11月23日には神社で“新嘗祭”が執り行われますが、これはその年の新穀をお供えする、春の祈年祭とならんで重要なお祭りです。ご自宅に神棚があるという方は、これを機に神棚のお供えを新たにされてはいかがでしょうか。