これからしばらくの間、新シリーズを紹介します。
これまでに紹介していない「授業で役立つ指導の技術」を紹介します。
《 (道徳は)読んでわかることは聞かない! 》
道徳科の授業の問題点で一番多いのが、「国語みたいになってしまう」。
その理由は、書いてあるあらすじをなぞってしまう授業が多いからだ。
そこで、筑波大附属小の加藤宣行先生の言葉が生きてくる。
読んでわかることは、児童生徒にはつぶやかせる程度で、教師が確認すればよい。
書いてあること(行動・言語)の、心の内面を想像させて、表出させるのである。
「このときの気持ちを考えてみよう」と聞く人が多いが、児童生徒は、つい正解を探しに行く。
道徳に正解はない。
そこで、次のように問う。
「心の声を想像してごらん」
これで国語にはならない。
また、発達段階によっては「わかりきったことは聞かない」ことも大切である。
逆に国語の読解指導では、読んでわかることを問う。
または、書いてあることから、合理的に推察できることを問う。
それ以外は、「書いてないからわからない」といった子が正解なのである。