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名フィル チャイコフスキー・ツィクルスⅠ

2011-06-26 20:15:01 | 音楽雑感&関連サイト
今日は、名古屋フィルハーモニー交響楽団のチャイコフスキーチクルスⅠへ行って来ました。

場所は、中京大学文化市民会館オーロラホール。何度も演奏をした思い出深いステージです。



曲は、交響曲第1番ト短調「冬の日の幻想」

交響曲第4番ヘ短調 の2曲です。

指揮は、この4月から名フィルの正指揮者に就任した円光寺雅彦氏です。


作曲家には、成長型と完成型があります。

モーツァルトやベートーヴェンは成長型、作品が徐々に円熟していきます。

それに対して、バッハやマーラー、リヒャルト・シュトラウス、ブラームスは完成型。初期の頃から高い完成度を示します。

私は、チャイコフスキーは、後者だと思っていました

しかし、今日、第1番と第4番を聴いて、成長型だと思うようになりました。



1番の生演奏を聴いたのは、たぶん始めてではないかと思います。
チャイコフスキー26歳の作品ですが、実際には改訂を繰り返しています。

チャイコフスキーは10歳から法律学校に入り、19歳から法務省に勤務する公務員です。
しかし、21歳でアントン・ルビンシテインが設立した音楽学校に入学します。
その2年後、安定した公務員の道を捨てたのです。

その3年後に作られたのが、この交響曲第1番ト短調「冬の日の幻想」なのです。

26歳の処女作としては、十分立派な作品でしょうが、その後のチャイコフスキーの名曲を知ってしまうと、まだまだ幼さが目立ちます。


今日の演奏も、円光寺氏の指揮は手堅いのですが、何をしたいのかが今一つはっきりしません。
しかし、交響曲第4番になると、指揮とともに、オケも乗ってきます。棒はダイナミックで、十分に弦を歌わせています。

これは、指揮云々よりも、曲そのものの持つ力なのです。


交響曲第4番ヘ短調は36歳の作品です。前年に、あのピアノ協奏曲第1番を発表し、大成功しています。
また、翌年にはバレエ『白鳥の湖』完成、オペラ『エフゲニー・オネーギン』完成しています。



今日の演奏時間は、おおよそ次の通りです。

第1楽章 18:43
第2楽章 9:41
第3楽章 6:03
第4楽章 10:54

手持ちのCDなど、8種類ほどを比べてみると、全体的にゆっくりめという速さです。

特にこの4楽章は、自分も吹奏楽コンクールで指揮した曲。
知り尽くしています。
円光寺氏の棒も、少しずつやりたいことが見えてきました。
終盤は、指揮もオケもノリノリです。


何といっても、正指揮者としての始まり。
あのフィーシャー氏も、初めは自分の色を出さなかったと思います。
円光寺氏も、少しずつ自分の色がでてくるのではないかと期待します。

アンコール 白鳥の湖のチャールダッシュ

その前に、挨拶がありました。
「これから、たびたびお目にかかる場があると思います」
会場から、歓迎の拍手を浴びていました。


今日は、シンバルとトライアングルに注目していました。
実に表情豊かに音色を作るもんだと感心しました。
トライアングルも、4楽章で、4分音符を3回ならす場面があります。その3回目(4拍子の1拍目に当たる)の音色が変わるのです。
これがテクニックなのですね。

本日の演奏は、8月28日 NHK-FMで放送される予定です。

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