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【社説】無償給食拡大がもたらす「不良給食」の懸念/朝鮮日報

2012-03-28 06:23:58 | 教育関連情報
【社説】無償給食拡大がもたらす「不良給食」の懸念

朝鮮日報に無償給食の記事が載っていました。

これは、日本でも人ごとではありません。
たとえば、子ども手当を廃して、児童手当と給食費無償という案もありました。
ソウルの様子を記事から見てみましょう。

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/03/27/2012032701576.html
から引用します。

本紙取材陣は、昨年11月と今年3月初めに、無償給食を始めたソウル市内の小学校と中学校を数校選びメニューを分析した。その結果、昨年の同じ時期に比べて明らかに質が低下し、生徒や保護者の多くが食事の量や味に不満を持っていた。

 教育庁(教育委員会に相当)では今年から、小学校の給食費として児童1人につき2580ウォン(約188円)、中学校の給食費として生徒1人につき3250ウォン(236円)を支援する。全面無償給食が施行される以前、ソウルの小中学校の児童・生徒1人当たりの給食単価は、小学生が2500ウォン(約182円)、中学生は3500ウォン(約254円)前後だった。しかし、過去1年の間に食材費が上がり、コメは21%、キュウリは104%、ミカンは79%、サバ・タラなどの鮮魚も20%以上高くなり、平均8.7%の上昇幅を記録した。支援経費は同じだが、食材費は上がったため、学校ではおかずを半分に減らすか、同じメニューでも安い材料を使わざるを得ない。予算を節約しようと調理師の数を減らしたため、手間がかかる料理を作るのも難しくなった。

 政界や教育庁は、全面無償給食の拡大計画にばかり没頭し、給食対象の量的拡大に伴う質的低下をどう防ぐのかに関する対策はおろそかだった。差し当たっては、給食の質を高める予算が足りない。今年、ソウルの小学生および中学1年生向けの無償給食に投じられる予算は2850億ウォン(約207億円)に上る。このうち半分を教育庁が負担し、ソウル市と区庁が残りを負担する。クァク・ノヒョン教育監の公約通り、来年に中学2年生、再来年には中学3年生まで無償給食を拡大する場合、必要な予算は4000億ウォン(現在のレートで約290億円)に増える。物価の上昇に合わせて給食の質を維持するための、政策的考慮そのものが存在しない状態だ。

 かつては、食料品価格が上がれば、学校運営委員会の決定により児童・生徒の保護者が一部負担を増やし、給食費を現実に合わせて調整できた。全面無償給食制度では、教育庁と区庁の負担を相応に増やす方法しかない。現在の状態では、全面無償給食はむしろ、子どもたちのバランスの取れた発育と成長を妨げる状況をもたらすかもしれない。しかし、一度無償給食を始めた以上は、非常予算を執行してでも「不良給食」を防ぐ方法を模索しなければならない。無償給食を中学校の全学年に拡大するという目標にばかり執着するのではなく、まずは現段階での給食の内容充実に取り組むべきだ。


朝鮮日報/朝鮮日報日本語版


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