フラフラになりながらもいい景色だなァと思ったらケータイにおさめることにしている。
嵐の前の静けさを孕んだ明け方。
外で寝ていた。
半分気を失ったといってもいいだろう。
40代後半をとっくに過ぎたいい大人がやって良いことではない。
どうした。
なにを迷っている。
みずから迷宮に入り込んでいる。
愚か者と笑いたければ笑え。
愚かでもカッコ悪くは生きたくない。
イイ歳したオッサンがなにしてる、と言われそうな生き方がしたいわけでもない。
ただ模索している、それだけ。
一人の男が右往左往していても宇宙は関係なく膨張している。
地球はお構いなしに回っている。
静かな朝の空を見つめているとそんなこと教えてくれている気がする。
部屋のカギを仕事場に忘れたのでフラフラつまずきながら引き返す。
2年前に
何かとても焦りを感じていてもたってもいられない状態だった。
過去を振り返り未来に生かすなら良しだが…
これからの自分をそっちのけにして過去にどっぷりはまり込んで身動きできなくなる。
要するに怖いのだ。
失敗することが怖いのだ。
でも失うものなどないのに。
幻に怯え、幻を手放そうとしない。
傷つくのが怖い。
それって男としてどうかと思う(自分のことだけど)
自分を嫌いにはなりたくない。
二種類いると思う。
自己愛が強く自分を甘やかせてしまうタイプ。
自分を愛するゆえに果敢にチャレンジしていくタイプ。
どちらがどうこうでもない。
どちらも持ち合わせているのが人間だ。
そこに意識を向けて自覚する、それが出来ればバランスを取りながら
少しずつ新しい自分を作り上げていけるのでないか。
そう信じていくしかない。
