数々の懸念は何一つふっしょくされぬまま、必要性の疑わしい法律が制定されてしまった。政府は、早急に社会の混乱を防ぐ手立てを講じるべきだ。

 国会の会期末を控え、性的少数者(LGBT)への理解増進法が成立した。

 先進7か国(G7)で、LGBTに特化した法律を持つ国はない。LGBT法は、国際社会でも極めて特異な立法といえる。

 そもそも日本は最高法規で「法の下の平等」を定めている。LGBTに特化して差別禁止を定める理由は、見当たらない。

 にもかかわらず、衆参両院ともに3時間前後の審議で決着が図られたのは、岸田首相が自民党に強く指示したためだとされる。

 LGBT法が欠陥を抱えていることは、明らかだ。成立を急がせた首相の責任は重い。

 法律は、LGBTへの「不当な差別はあってはならない」と規定した。だが、差別の定義は曖昧で、悪用される恐れがある。

 悪意のある男性が「自分は女性だ」と主張し、女湯や女子トイレに入る犯罪は現実に起きている。今後は、侵入を罪に問おうとしても、LGBT法を盾に「不当な差別だ」と反論されかねない。

 個人の性の認識を「ジェンダーアイデンティティ」と表記したことも、わかりにくい。

 法律にはまた、小中学校で、性的少数者についての教育を「地域住民や関係者の協力」を得て、促進することも盛り込まれた。

 精神的に未熟な段階で、機微に触れる性の問題を教え込む必要があるのか。過激な主張をする活動家や市民団体が、教育現場に介入してこないとも限らない。

 このように様々な混乱が生ずる恐れがあるだけに、今後はトラブルをどう防ぐかが重要となる。

 政府は新法に基づき、性的少数者への理解増進に向け、基本計画を策定することになっている。

 女性専用のスペースをどう犯罪から守るのか。プールや温泉などの事業者は、男女の区別を守ることを前提としてどのような対策を取るべきか。法整備がもたらす弊害を軽減することが急務だ。

 差別解消を訴えていた人たちは、同性婚の法制化も唱えている。首相はこれについても、「理解が進むことが重要だ」と、同調するかのような発言をしている。

 首相自身が言うように、同性婚が「社会が変わってしまう課題」である以上、多様性の尊重という言葉に流され、安易に判断することは許されない。

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上の記事は読売新聞6月18日の社説です。

社説:LGBT法成立 社会の混乱をどう防ぐのか : 読売新聞 (yomiuri.co.jp)

 

5月13日の社説でもLGBT法案について述べています。⇩

社説:LGBT法案 拙速な議論は理解を遠ざける : 読売新聞 (yomiuri.co.jp)

 

社説は時事問題の解説と新聞社の主張や考えを述べるものです。

淡々とニュースそのものを報道する事とは少し違うので社の特色が出るようです。

 

読売新聞社はLGBT法についての問題点を述べ、この法律の抜かりや議論を尽くせていない事を問題視しています。

 

また産経新聞は社説扱いの「主張」で欠陥の多い悪法と批判しています。

【主張】LGBT法成立 女性を守る新法の策定を

【主張】LGBT法成立 女性を守る新法の策定を

 LGBTなど性的少数者への理解増進法が、参院本会議において賛成多数で可決し、成立した。欠陥の多い悪法であり極めて残念だ。このままでは、女性を守ることが難しい。

産経ニュース

 

なぜこのような「生煮え」状態で拙速に成立させたのでしょう。

本来なら慎重に審議して成立させるのが筋ですし、その為には与党である自民党の存在が大きいですが、

与党である責務を果たせなかった自民党に責任があります。

 

自民党保守の議員でさえ「党議拘束」の為に賛成せざるを得なかったと述べています。

党の方針に背けば議員生命を脅かされる「党議拘束」

小泉政権では「郵政民営化」に反対した議員には厳しい対応をしました。

選挙では公認しないのは勿論、刺客と呼ばれた「落下傘候補」を送り込み、反対議員を窮地に陥らせました。

今から思えば、あれで良かったのか、あれでは独裁政治と変わらないのではないのか、と思ってしまいます。

それだけ議員にとっては恐怖の「党議拘束」だったのでしょう。

この事について高市早苗さんはTweetされています。

 

また国会質問で存在感を示した有村治子さん。

産経新聞の「産経抄」で関連記事をTweetされていますが、結局は賛成にまわりました。

 

参議院議員で反対の為に退席された3人の内の一人、和田政宗さんは次のようにTweetされています。

 

また和田さんの当日のネクタイが話題になっていました。

 

それだけ安倍元首相の存在感や影響力の大きさが感じられると共に、安倍さんのいない虚しさ悲しさが蘇ります。

人は何と冷たいのか。

恩義も忘れて情けない。とも。

 

小野田紀美さんの考えははっきりしていませんでしたが党議拘束についてTweetされています。

 

また議員によっては地元の後援会や支援団体の意向で賛成せざるを得なかったと釈明されている人もいます。

党内で議論をし尽さず、反対の方が多いのに執行部預かりにした不可解さ。

これも岸田首相の強い意向があり、岸田さんにはバイデン大統領やエマニュエル大使からの圧力もあり、

その序章が岸田裕子夫人の単独訪米だったとも言われています。

後援会の考えが賛成なら、この法律の弊害を説明して説得すべきでしたが、それも出来ない時間的余裕の無さ。

後の祭りにならないように自民党議員には責任を持ってもらいたいです。

それにしても党議拘束。

政権が意のままにしたいが為の仕組み。

本当にそれでいいのかと思いますし、

これだけ岸田政権がやりたい放題の事をするなら抗議の為にも保守自民党議員は何らかの行動で示した貰いたいです。

と言っても選挙で落ちればただの人。

無職が怖くて悪法を通す様な議員。

公明党の支援が無ければ落選の憂き目にあう人。

国益よりも私益を優先するような人は議員でいる必要がありますか。

無駄な議員を排除する為にも議員定数を減らす事や歳費削減を考えてもらいたいです。