中欧4ヶ国の旅も2か国目。スロバキアに来ました。私の記憶ではチェコスロバキアしかありません。もともとはオーストリア=ハンガリー帝国でしたが、第1次世界大戦後の1918年に独立、チェコスロバキア共和国が誕生し、第2次世界大戦後には社会主義国家となり、25年前の1992年にチェコとスロバキアに連邦を解消し、今日に至っています。スロバキアはスロバキア人の国です。訪れたブラチスラヴァはスロバキアの首都。オーストリア、ハンガリーの2か国の国境に接しており、主権国家の首都としては唯一、市域内に3国の国境があります。数時間の滞在でも訪問国1国制覇。ヨーロッパにいることを実感しました。
写真はブラチスラヴァ城。ドナウ川を見下ろす高台にあり、かつてはハンガリー女王のマリア・テレジアの居になっていました。写真ではわかりませんが、城の四隅にある塔をテーブルの脚に見立てて、「ひっくり返したテーブル」という愛称で親しまれています。
このブラチスラヴァはマリア・テレジアの時代はプレスブルクと呼ばれていました。急逝したオーストリア皇帝の跡を継いだマリア・テレジアは、1741年6月にハンガリー女王の戴冠式にのぞむためにこのブラチスラヴァを訪れました。当時の様子は、ウイーンから数十隻の船でドナウ川を下り、「女王はこの日のためにハンガリー国旗の色に合わせた衣装を身にしているし、船という船が赤白線という国旗で飾られている(『マリア・テレジア』江村洋著)」。若き女王は列国の狭間にあってハンガリーを見方に付ける賭けにでたのでした。
ハプスブルグ家オーストリアの繁栄をもたらしたマリア・テレジアが第一歩を歩みだした場所にいるということは感慨深いですね。城からドナウ川を見下ろし、隣国オーストリアを望みながら暫し時を過ごしました。