人生悠遊

写真付きで旅の記録、古都鎌倉の案内などを、周りの人の迷惑にならないように紹介していきます。

きょうの旅 ーー 雨降山大山寺 ーー

2018-02-25 20:50:42 | 日記

丹沢山系、標高1252mの大山中腹に雨降山(あぶりさん)大山寺があります。寺の縁起によれば、奈良の東大寺を開いた良弁上人が755年に開山したといわれています。この大山寺はもともとは神仏習合の寺院として大山阿夫利神社下社(標高678m)にありましたが、明治の廃仏毀釈で破壊され、その後現在の場所に移りました。お不動さんとして広く信仰され、関東三十六不動霊場第一番札所になっています。

ご本尊は文永十一年(1264)に願行上人が鋳造したと伝わる鉄不動です。像高97.9㎝、台座をいれた総高287㎝、重量130貫(約480㎏)の大きさで、実際に拝んだ感覚は、その眼光と、威圧感によりはるかに巨大にみえます。大山不動像も明治の初めに破壊されかけましたが、なんとか免れました。なお鎌倉の覚園寺愛染堂にある「試みの鉄不動」は、大山不動像を造立するための試作仏といわれています。

本尊のご開帳日は毎月8・18・28日。参拝した2月23日も御開帳されており、諦めていましたが運よく参拝することができました。本堂の奥に鎮座するそのお姿の迫力ある威圧感と重量感には目を見張るものがあります。目は鎌倉時代ならではの玉眼が埋め込まれていますが、どのように作ったのか全く想像出来ません。覚園寺の不動像は鉄の塊という印象でしたが、大山鉄不動尊の完成度ははるかに高く、当時の優れた鋳造技術に驚かされました。鉄製の仏像は鎌倉周辺にしかないようですが、この鎌倉の鉄文化もっと研究されてても良いはずなのに、あまり知られていません。ちょっと残念な気がします。

興味ある方は一度拝観してください。百聞は一見にしかず。きっと何かを感ずると思います。

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