今回はウダカ・ダン・ティント。ウダカはダン地方にある5つの協同組合連合の名称。このワインはガイドブックにも紹介される有名な銘柄。値段も1,210円とお手頃。カタログには、檀一雄が「同じ名前」のため愛飲されたといわれる「ダンワイン」。ソフトな酸、ほどよい渋み、ビロードのような飲み口と長い余韻と書いてありました。実際に飲んだ印象はさわやかな飲み口でついつい飲み過ぎてしまうコスパのよい美味しいワインです。是非試してみてください。
さてワインの産地であるダン地方はポルトガルの中部でヴィゼウが中心都市。手元のガイドブックによれば、モンデゴ川支流のパヴィア川沿い、穏やかな丘陵地にブドウ畑が広がる。16世紀にはヴィゼウ派を開いたふたりの画家がこの町に暮らした。「偉大なヴァスコ」と呼ばれるヴァスコ・フェルナンデス(1475‐1542)と、その弟子のガスパー・ヴァス。芸術の町であり、宗教的な雰囲気を色濃く残している人口10万人足らずの町のようです。このヴィゼウ派の絵画はヴィゼウ市街にあるグラン・ヴァスコ美術館で観ることができます。調べた資料でヴァスコ・フェルナンデスが画いた「聖ペドロ」という絵を見つけました。この画家が生きた時代を日本の歴史と重ねるとポルトガル人が種子島に漂着したのは画家が亡くなって1年後。そして織田信長が生れたのは1534年ですから時代が少し重なっています。
コロナ禍で海外旅行はもちろん国内旅行も行けないのですが、鎌倉より小さな町から日本に送られてきた1本のワインを一口飲めば妄想が膨らみ、ポルトガル旅行気分を味わうという贅沢な時間を楽しんでいます。さて次はどの町を歩きましょうか・・・。