人生悠遊

写真付きで旅の記録、古都鎌倉の案内などを、周りの人の迷惑にならないように紹介していきます。

鎌倉を知る ーー縄文人も見た風景ーー

2019-11-29 15:45:57 | 日記

鎌倉市の北部、横浜市、藤沢市と接するところに関谷という地名の場所があります。JR大船駅からインター経由藤沢駅行きのバスに乗り、坂口か島の神バス停で下車。県道312号を渡り10分位坂を登った先に台地が広がっています。現在は露地野菜の畑が広がる場所ですが、歴史は古く1万年から5000年位前の縄文時代後期の遺跡が発見されています。車では川名から国道1号線に行く途中でよく通るのですが、こんなに身近に土偶なども出土した東正院遺跡や島の神遺跡があるなんて知りませんでした。

縄文時代は県道が通っているあたりは入江で、台地にはシイやトチ、クリなど木が生い茂り、縄文人は漁や狩りをしたり木の実を食べて生活したと思われます。西を見れば富士山や箱根山が望め、富士山は噴煙を上げていたかもしれません。箱根山は富士山より活動は古く、約40万年前から約18万年前までが活動期で、最盛期は2700m位の標高があり、約18万年前位に芦ノ湖のあるカルデラが形成されたと言われています。富士山は約10万年前から活動が始まり古富士火山、新富士火山と約5000年位前までに今の姿が形成されました。これらの噴火により火山灰が噴出されますが、細かい灰ほど風にのり遠くまで飛ばされますので、それが堆積し、ご存じの関東ローム層ができたわけです。坂を登る途中に露見した場所がありますのでご覧ください。赤土と言われるものですが、触ってみれば粒子の細かな土壌です。

この関谷農場のある台地の下には関東ローム層がありその上に黒土と言われる腐葉土が広がっています。関東ローム層は降った雨を保水する性質があり、これが畑での野菜作り適しているようです。この台地には川はなく、水道も引かれていません。農家の方の話では、野菜の芽がでるまでは水やりが必要となるが、根がはってしまえば多少雨が降らなくても野菜の生命力で育つと仰っていました。これといっぱいの陽光、これがみずみずしく青々した鎌倉野菜のおいしさの素であると納得しました。

写真は遠くに見える富士山と箱根の山々。農家の方に鎌倉野菜も富士山を見ながら育つとおいしくなりますかと訊ねましたが、あまりウケませんでした。とは言っても縄文人も眺めた富士山は本当に美しいです。

 

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