人生悠遊

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熊野詣 PART9① --熊野速玉大社--

2024-06-15 16:59:00 | 旅行

熊野三山参詣の二か所目は熊野速玉大社です。古来は熊野本宮大社の大斎原にある船着場から熊野川をくだり参詣したようです。天気のいい日はともかく風雨の強い日はこれも難行でした。では熊野速玉大社はどんな神社か?ご由緒を紹介しましょう。神社の由緒書きを写してきましたのでご覧ください。

熊野速玉大社は悠久の彼方、熊野信仰の原点、神倉山の霊石ゴトビキ岩(天ノ岩盾)をご神体とする自然崇拝を源として、この天ノ岩盾に降臨せられた熊野三神(熊野速玉大神・熊野夫須美大神・家津美御子大神)を、景行天皇五十八年(西暦128)初めて瑞々しい神殿を建ててお迎えしたことに創始いたします。我々の祖先は、美し国熊野に坐しますこの真新しい新宮に大自然の恵みを献じて神々を斎き祀り、感謝と畏敬のこころを込めて祈りを捧げながら、最も神社神道の特色ともいうべき清め祓いを実践してまいりました。このように、原始信仰から神社神道へと信仰の形を整えていった厳儀を、未来永劫にわたり顕彰し続ける精神をもって「新宮」と号するゆえんであります。この尊称は、まさに熊野速玉大社が、天地を教典とする自然信仰の中から誕生した悠久の歴史を有することの証といえるでしょう。中世熊野御幸(ごこう)は百四十度を仰ぎ、第四十六代孝謙天皇より「日本第一大霊験所」の勅額を賜り、また千二百点を数える国宝古神宝類が奉納され、全国に祀る熊野神社の総本宮として厚い信仰を集めております。また境内には熊野信仰の象徴たる「梛(なぎ)の大樹」が繁り、熊野神宝館や熊野詣を物語る「熊野御幸碑」などがあります。

つぎにご神体の神倉山のゴトビキ岩についてです。南紀熊野ジオパークのホームページをみますと、熊野酸性火成岩類の流紋岩が風化し、山の斜面にヒキガエルの姿で鎮座する巨岩。このような球形に風化した岩はコアストーンと呼ばれるとあり、ゴトビキとは地元の言葉でガマガエルというらしく、神様が鎮座するに相応しい巨岩を磐座とみなしました。毎年二月に行なわれるお灯祭では、この神倉神社の538段の急峻な階段を御神火を持った男たちが一気にくだると勇壮な火祭りです。ネット情報では、538段の階段は源頼朝の寄進と伝わる鎌倉積みと書いてありました。

前掲『熊野古道』(小山靖憲著)によれば、本地仏は薬師如来で薬師の東方瑠璃光浄土とされていますが、熊野本宮大社ほど本地仏は意識されていないようでした。新宮である熊野速玉大社は、神々がおり立った神倉山に鎮座する巨岩(ゴトビキ岩)をご神体とする自然崇拝信仰が参詣者を強く惹きつけたと思われます。確かに社殿の前に立ちますと、背後の山々、社殿を取り囲む鬱蒼とした木々、ご神木である梛の木の存在感は圧巻で、特に新緑の季節だったせいもありますが、体内から生命力がよみがえってくるような不思議な感覚にとらわれました。

 

 

 

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