昨日の続き
今日の目的地は野付半島だ。
昨日行った根室半島と知床半島に挟まれた場所にある釣り針のような形をした砂嘴の半島だ。
「絶対行きたいの」と云うTさんの色気に押されてアクセルを踏み込んだ
。
途中の道は 本当に何もない、見通しの悪い丘越えのクネクネ道。
でも地元民とは食いつく場所が違うTさんとSさん。
牧草ロールが転がる畑を見て停車命令が下る。
「あそこを走るトラクターは赤い方が良いのに」とこだわりの強いSさん。
さらには「あの牧草ロールは もっと手前にあればねぇ」なんてブツブツ言うのは・・・・もしかしたら私に転がして来いと云うことなのだろうか。
「道の駅 おだいとう」を経て、ついに野付半島の砂嘴上を通る道に入った。
主要道路から右折した途端、「野付半島なの? ここが付け根?」と目を輝かせるTさん。
左手には知床連山と国後島の山々。そして右手には野付湾が広がっている。
野付半島で有名なのはトドマツが海水で枯れ死したトドワラとナラが枯れ死したナラワラの寒々とした奇観だ。
この説明をした途端Tさんからの質問は・・・・「ワラ」の意味。
「トドとナラは判ったけれどワラは?」
これには絶句した私。しかし今 何とか調べたからね。ワラは原が転じたらしい。
つまりトド原、ナラ原だったものがワラに変化したとの説だ。
ネイチャーセンターで食べた玉ねぎとホッキの天丼セットのようなものは美味しかったのだが、ホッキが硬くて噛み切れなかった。
私は頑張って丸飲みしたのだがSさんは断念したようで皿の中に寂し気にホッキだけが残った。
昔、観光馬車が走っていたトドワラまでの1.3キロを歩くことにした。
道のわきにはハマナスやセンダイハギなどが咲き乱れていたが、驚いたのは丹頂がいたこと。そしてキツネも。
膝の悪いSさんは道の途中で引き返したが、我々は遊歩道から美しい知床の山々を見ながら、何とかトドワラのある場所まで到着。
しかし、立ち枯れているのは数本で、大部分は倒れて自然の中に消えていた。
今日はこの後、摩周湖へ行く予定なので同じ道を一生懸命戻った。
後ろから聞こえてくるのはTさんの足音。
子供を4人産んだらしいが背筋をピンと伸ばしモデルのようにサッサッと歩く姿はかなり恰好良い。
私もジェームスが活躍できていた頃は子供を4人作ったのだが、今では背筋が曲がり短足だからかスピードは上がらない。
後ろに迫ったTさんは、決して私を追い越さない。
これは私への労り(いたわり)なのか、それとも・・・・・もしかしたら・・・・愛?
いや、単に遊歩道が狭いからだろう(笑)