襟裳の宿は国道から逸れ狭いグニャグニャ道を海側へ降りた港の奥に隠れるようにして建っていた。

受付でオバチャンに宿泊カードへの記載を促される時も、「一緒の部屋でも良いのに」と未練がましい私。
それが効いたのか用意してくれた部屋は隣同士。
いつでもコンコンできるようにと宿の人が気を遣ってくれたのかも知れない。

宿泊客は我々二人だけ。
普通は男性用・女性用の浴室にお湯を入れるのだろうが、勿体ないので女性用の風呂だけにしか湯を張っていないから「交代で入って下さいね」と云われた。
だから「一緒に入ろうよ」と云う私と「嫌、先に入って」と云う彼女とが受付でイチャイチャ。
この二人の関係を興味深そうに眺めるオバチャンは無表情を保とうと必死だ(笑)
建物は少し古くて歩くとギシギシ音がする。
ドアは歪んでいるのか、カチッと閉まらないことがあり落ち着かないのだが、まぁこんなものだろうと思うことにした。
宿

夕食の時間を決めて自分の部屋へ入ったのだが全く楽しくない。
私の予定では、一緒の部屋に泊まって修学旅行生のように枕投げをして、追いかけっこをしてキャッキャッと騒いだ後 彼女を捕まえて・・・・・アッハーン❤ だったのに・・・・・。
向かい合って黙々と二人だけの食事。少し緊張感が漂っているのはこれから起きる何かの前触れだろうか。

その後、バスクリンが入った広い風呂に一人で浸かり淡い期待で彼女を待ったが・・・・・現れなかった。
彼女に「お風呂が空いたよ」と声を掛け、「もし寂しくなったらコンコンしてね」と付け加え、ロビーから持ってきたゴルゴ13を読みながら布団の上にゴロリ。
もちろん、いつ彼女がコンコンしてきても脚を絡めて寝られるようにと片側に寄って寝た。
そうそう、寝る前に飲む処方薬、胃薬と眠剤を飲まなくては・・・・・あれっ、眠剤も飲んじゃった。
これじゃ、彼女がコンコンしても応えられないかもしれない。
「ジェームス、お前だけでも起きていろ」と言ったものの・・・・・zzzz。
果たして彼女は入浴後にコンコンしたのだろうか?