ギリギリ セーフ

台風24号が接近している。
その中心は襟裳岬の南100余キロの所にあり、どんどん近づいている。



テレビでは、色々なものが飛び太い木までが倒れている恐ろしい映像が流れたが、都会を通過してしまった後のことにはあまり興味が無いようで、今後の進路に関しては予想図がチラリと映し出されるだけ。

そのチラリ予想図によると1時間程で台風は私の街を掠めるように北東へ進むようだ。

暴風域を表している赤い円が街を飲み込む位置にある。




急に黒い雲が覆ったと思ったら大粒の雨が降り出した。
窓ガラスには濡れないようにと一匹の大きなハエがしがみ付いている。

私の街は背後に巨大な湿原が広がっているので、それが吸い取り紙のように水を蓄えるので多少の豪雨でも被害は出ないだろう。



ただ怖いのは風だ。

マリリンモンローのスカートを巻き上げる程度の風なら大歓迎だが、一度屋根が剥がれたことのある私の家がどこまで耐えてくれるかが心配だ。

まぁ、なるようにしかならないと覚悟を決めて寝室へ上がって本を読んでいる間に雨が止んだ。

さぁ、これから強風との戦いだと思っているのに、風が強くならない。

窓から空を見ると少し晴れてきていて、黒い雲は海上をギリギリの位置で通過したように見える。



もしかしたら･････これでオシマイ？

(ヤッター) と小躍りしながら海辺へ出てみた。



波は少し高いがどうやら台風は素通りしたようだ。
一安心してテレビの天気予報を確認したら、今度は25号が発生したとか。



また来るの？ 来ないよね。

絶対に来ないで欲しいと思いながら、また天気図を何度も確認することになるのだろう。