夕食後、面白そうなテレビ番組が無いのでルンバはウォーキングに出ると云う。
私も従者としてその気になり着替えた。
陽も落ちているので寒さ対策の為にスキーでもするような厚着。
ネックウォーマーに耳まで覆う帽子にモコモコの手袋。
マスクを忘れたけれど・・・・・まぁ良いか。
こんな夜道、歩いている人はいないだろう。
凄い勢いで歩き始めたルンバに食らいつく私。
街灯の頼りない光が届かないほぼ暗闇の中、時々センサーライトが我々を感知して急にスポットライトを浴びせかけて驚かせる。
雪が無いので歩くには苦労しないが、凍った水溜まりに片足が乗ると予期しない股裂きの刑。
団地を出ると駅へ向かう橋を渡り始めたルンバ。何処まで行くのだろうと思いながら付いて行くのだが、静寂の中、日中では絶対に感じることのない川のせせらぎを耳にして(へぇ~~~)と少し感激していたら、急に回れ右して「戻る」と一言。
振り返るとルンバが持つ灯が、私を置き去りにして暗闇の向こうへ沈んだ。