数日前からスマホの画面が変。
ミッキーマウスのような淡い影が背景に浮かんで、何やら細かい文字が並んで
「OK」を押すのだが画面が進まない。
再起動してもダメで、アプリの並んだホーム画面に切り換えることが出来ないので電話やメールもできない。
仕方が無いので最後の手段、スマホ会社のオネエサマに逢いに行った。
私はスマホショップへ行くのが好きだ。
CAさん見たいな制服が似合う可愛い店員さんがズラリ。
どうやったらこんなに可愛い人ばかり集められるのだろう。
女性に慣れていない私は店内でドギマギしないようにと車の中で何度も練習。
「何故かアプリの並んだホーム画面に戻らないんです」と云う文章を頭の中で反復。特にアプリなんて言い慣れない言葉に重点を置いた。
そして入店した途端寄ってきた可愛い女性。アプリなんて言葉は一瞬でスッ飛んで記憶の彼方。
手を消毒し体温測定後に彼女と向かい合わせの席。
「画面が切り替わらなくなってしまって・・・・・」と云いながら彼女へスマホを渡す。
彼女のマニュキュを塗った細い綺麗な指が私のスマホに触れる。
チョンチョン、ナデナデ、チョンチョンを繰り返し苦労しながらも原因を追及。
キラキラ輝くダイヤモンドのような爪をウットリと見つめる私。
いつしかチョンチョンされているのはスマホではなく私の気分。
どうやら私がダウンロードした記憶も無いアプリが背景として設定されたようでそのままフリーズしているらしい。
もしかしたらウィルスなんだろうかと思ったのだが、お願いして削除してもらった。
削除された時が彼女との別れ。
後ろ髪を引かれる思いで店舗を後にした。