久し振りに運転手を仰せつかった。
ツルツル路面と新コロナで外出を控えていたのだ。
スーパーへ入った途端、ルンバの何処かにあるスイッチが入った。
カートに籠を2つセットし、どんどん山を築く。
私は付いて歩くのを諦め、気合いの入った動きを繰り返すルンバを遠くから眺めた。
ドラッグストアーやコンビニにも寄って帰宅し荷物を下ろす。
それだけでグッタリ。体力の低下を自覚した。
去年の私と今年の私は違うのだ。
手のシワシワも増えてきたように見える。
今年の免許更新は何とかバスするかも知れないけれど、次回はもう怪しいかも知れない。
ルンバに、その事を伝えたら「私もね、頭が働かなくて自信が無いから免許更新は無理かも知れない」とのたまう。
「いやいや、あれだけ口でオレを云い負かすのだから立派に脳は動いているよ」とつい余計なことを言ってしまった私。
一瞬でルンバは無口になり目は三角。頭から角が生え、そして口から牙が出た。
あぁ・・・・・、この世にこんなに怖い生き物は他にいるだろうか。
私は目を逸らして身体を猫のように丸め、耳にイヤホーンで蓋をした。