午後から訪問したのは展示会候補地のガレリア・デル・オルソ。市の中心ドーモから近く立地としては申し分ない。私としてはここはトリエンナーレがダメな時の次点候補であった。しかし、足を運んで見なければ判らない、まず、オーナーのパオラさんと挨拶、品の良い落ち着いた感じの奥様である。ギャラリーの中を見ると、丁度広さといい、規模的にも雰囲気も展示期間も自由であり、金額的にもぴったりであった。地下のレンガ作りの古びた雰囲気を見ているとどんどん展示会のイメージが沸いて来る。
「オーナーが私たちの作品を大変気に入っている」ということが一番大きなことである。もともと裕福な育ちの人なのだろうギスギスした感じは一切ない。
契約の確認に入った。開催時期や期間、金額、備品、飾り付け、電源の確認、オープニングレセプション、顧客へのDM発送、マスコミ関係へのPR。決めることは沢山ある。彼女の娘さんが「ボーグ」というファッション誌に関係があるのでそこにも話をしてくれるそうだ。 私の気持ちの中ではほぼ「ここにしよう!」決め ていた。油布さんがよく言っているが「身の丈にあった所で、方法で」まさしく、今の私たちにピッタリの所である。
ギャラリーを見た後彼女から古い物を見せましょうか?と言って来た。そこは1700年代に書かれた壁画や、階段の大理石など、400年も前の建物を大事に今の暮らしの中に当たり前のように使い、それを誇りに思っている彼女たちの石の文化に感心した。日本ではどんどん立て替えられてしまうのではないだろうか?