ログハウスは棟上をしてからが長い。屋根をつけ、その次に床張り、土台となる大引きの上に垂木を載せて、下からの冷気を抑えるため断熱材をはめ込んでいく。グラスウールで作られた断熱材であるが、これが皮膚に触るとチクチクするのだ。やはり、科学物質はあまり良いものではない。
普通の家のように角材で作っていないので大引きの高さがそれぞれ違う、水糸を張って高さを出しながら垂木の高さを調節していく。この時いい加減なことをしていると、将来床にビー玉を置くとコロコロ転がることになる。今、私の家ではビー玉が良く転がる。
この頃私は恋をしていて、床張りをしながらも心はここにあらずという状態であった。妻になってくれた「悦子さん」に猛烈にアタックをかけていた。20年後に子供が二人でき今の家庭が出来るとは想像だに出来なかった。
床板は丸太と同じく杉板を使った。合板ではないので使い込むほど艶が出てきて、今は美しく輝いている。