高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

千客万来

2007年02月25日 08時53分04秒 | 友人

072_136 新宿伊勢丹での「大九州展」もお陰様でたくさんのリピーターに支えられています。お客様の写真は基本的に勝手には掲載できないので、今日は伊勢丹に来てくれた友人を紹介したい。

この写真の彼は私の竹の学校の同級生である。海外青年協力隊として5年ほど「ドミニカ共和国」に赴任していた。当時、私も新婚旅行の途中に一月ほどドミニカの彼のところでお世話になったことがある。  竹細工など誰も知らないところから現地の青年たちを教育して、今でもドミニカの人たちだけで竹細工が伝えられているそうだ。

ドミニカから帰国後直ぐに交通事故にあった。大変な事故で今こうして会えることが信じられない。4年近く植物人間として反応がなく、回りも諦めていた。しかし、ある時ピクリと小指が動いたそうだ。それから奇跡的な再生をしてきたのだ。現在は一人で社会生活はできないが、過去の記憶は良くわかるし、スペイン語なども話せる、逆についさっきの事が伝わらなかったりするのだが。 その彼「N」さんが訪ねて来た。来た途端、デパートの中で抱き合ってしまった。片言の言葉で必死に思いを伝えてくる。思わず、涙が出そうになってしまった。竹製品を見ると彼の目が真剣になる、昔の竹職人としての記憶が戻ってくるのだろう。障害を持った今も素直な気持ちの良い男であった。頑張れよー。

072_138 怪しい二人組み「K」さん、「N」さん。この二人は大分県の職員で、先日まで別府の竹工芸訓練支援センターにいた人たちである。大分県は竹細工をする我々には、大変厚い支援をしてくれている。技術的なハード面のサポートだけでなく、人材的なソフトの支援も充実している。

私などもデパートに始めて出た頃販売の仕方もわからず、下を向いて実演ばかりしていた頃、彼らから販売の仕方を教えてもらったものだ。特に左の額に光が反射してまぶしい「K」さんは独特の話ぶりがある。聞いているとどんどん話の中に引き込まれていく話術の持ち主である。「私もいつか、この人のように話せるようになりたいなー?」と密かに思っている。

竹工房オンセ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする