高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

卒業式

2009年02月25日 06時53分36秒 | 家族

早いもので、先日入学したばかりと思っていた長男坊が、あっという間に3年間の寮暮らしでの高校生活がもう卒業である。

「高校生から遠隔地によく出しましたね~。」と聞かれるが、これには訳がある。

3年前、地元の中学3年生の時、高校進学に当たって、何処にするか進路を決めかねている時であった。私の住んでいる大分県宇佐市安心院町は特殊な事情があって、全国的にも珍しい「中高一貫モデル校」の指定を受けており、地元の中学生(当時、4中学)は入試が無く、無試験で安心院高校に進学できた。全員で1学年100人程の規模である。

親のエゴでこんな辺鄙な山間部に移り住んでしまった為、他校への進学が選択することが出来ない。他校への進学は地元の中学校からすると、実績の為あまり良い顔をしない。そこで、中学3年の2学期から、隣の別府市にアパートに引っ越して、住所を移してはどうか?と家族で検討をしていた所であった。しかし、仕事の事などいろいろな条件を考えると、全員で別府に移り住むのは難しいので、私だけがこの工房に残り、妻と二人の子供は別府のアパートに、二重所帯になるが……。そんな事を考えていたところ、突然、長男坊が「僕、寮のある所に行っても良いよ。」と言い出した。「何故、急にそんな事を言い出したのか?」不思議であったのだが、先日、長男坊が卒業休みで帰ってきた時に当時の話になり、理由が判った。

「一家がバラバラになるのが嫌だったから!」

中学3年生の彼なりに、家族を心配して「自分が寮に出れば今まで通りの暮らしが続く」と考えていたようだ。いつも、惚けた事ばかり言っているので、何にも考えていないのか?と思っていたのだが、彼は彼なりに、真剣に考えていたのだ。それを聞いた時、愛おしさと申し訳なさと何とも言えない気持ちが込み上げてきた。

そんな彼が、3年間の高校生活を終え卒業である。卒業式を見るため、今日明日と新潟へ行ってきます。

「クルム、卒業おめでとう。そして、ありがとう。」

竹工房オンセ

コメント (2)
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