高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

名人or はったり ?

2011年03月17日 07時32分39秒 | ブログ

世の中には、何処にどんな人が潜んでいるか判らない!

ふら~りと、私の実演しているところに立ち寄ったお客様がいる。
実演用に置いてある、お箸を右から左から眺めている。

「私、趣味で少し竹をかじっているのです」と云う、

「竹をかじっている?  この人はパンダの親戚か?」

そして、サンプルの竹箸を手にとって、じっくりと眺めている。
おもむろに
「竹は、「木元竹裏」と云って、裏から割るのですが、この箸は逆に削っている」と言うのです。

そうなんです、昔からの諺で「木元竹裏」と云って、木は元から、根っこのほうから割りなさい、竹裏、竹は上の方から割りなさい」と云うのですが、これは、竹に携わる人間にとって、最初に教えられることである。

314_014a 私達は、竹の節を見て、どちらが上で、どちらが下なのかを判断するのだが、
これならば、一目瞭然で判断がつく、しかし、節の部分の無い竹箸を見て判断することは出来ない。

この写真で云えば、右側が根っこに近い下の部分になる。

26年間、竹業を生業としている私も、箸を見ただけでどちらが上か?判断することは出来ない!また、諸先輩達からも聞いたことが無い!

と、すると

この箸を眺めて
「これは元裏が逆ですな」と仰る人は、

ひょっとすると、竹の名人なのか?

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コメント (3)
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