実演で三味線の皮を張るところをやっていた。
まず、三味線の本体に餅粉で作った糊を塗っていく、この餅粉が本体と皮の接着剤になるのだが、ニカワとか漆などの接着剤もあるのに、「何故、餅粉なのか?」
皮が使い込んで破れたりした時、ニカワなどは、後から乾いて強力になる物は、三味線の本体を削って、接着剤を取らなければならない、すると、本体を削ることで、微妙に音が違ってきてしまうそうだ。
それで、強力に接着はするが、水を付けることで簡単に取れる、餅粉で作った糊を使うことになったそうだ。
三味線の上に、練り上げた餅粉を塗りつけていく、一周回ると、万遍なく多くもなく、少なくもなく、ピタリと決まった、・・・・・さすがである。
餅粉の上に皮を置く、ここからが実演のハイライトの皮張りである。
いろんな道具が出てくる。
これは、皮を掴む挟みだが、「木栓」と云うそうだ、もちろん、自作のものである。道具は自分なりに工夫をして作っていくものだ。くさびを打ち込んで、梃の原理でギューっと挟んでいく。これぐらい強く掴む道具でないと、とても皮を引き延ばすことなど出来ないであろう。
台座の上に三味線を乗せ、紐で引っ張る、四辺を少しずつ張り具合を見ながら締め上げていく、手で締め上げた後は、象牙のくさびを、紐に通して、更に締め上げていく、
ギリ、ギリ、ギリ・・・・・・・・
トン、トン、トン (これは、指先で叩いて張り具合をみる音)
そしてまた、
ギリ、ギリ、ギリ・・・・・・・・
ところが
バチン!
「一瞬、何が起こったのか?」と思ったが、皮が破れたのだ。
デパートの乾いた環境と、横から私が、ちょこちょこ話しかけるので、集中できなかったのか?・・・・・・
顔は笑っていたが、ひと滴、額から汗が垂れていた。
熟練の職人でも、こんなことがあるから面白い。天然素材が相手だけに、皮も一つ一つ性質が違うのだ。
「弘法も筆の誤り」と申しましょうか・・・・
若い頃の、郷ひろみ似の大下君であった。
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