高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

三味線 1

2011年09月25日 07時42分24秒 | 職人仲間

今回良かった事は隣のブースに出店したいた三味線の大下君の仕事を、じっくり見ることが出来た事だ。

初めて会う人だが、誠実そうな語り口と、ちゃんと相手を見据えて話す接客に、人柄が伺える。

他の業種の仕事は見ていて面白い!

“三味線の値段は竿で決まる”  そうだ。

923_4

923_3 硬く擦り減らない丈夫な木で作られている。使い込むうちに擦り減っていくので、削り直しをしなくてはならないので、なるべく擦り減らない硬い材料が良いそうだ。削ると微妙に音色が違ってくる様だ。

張ってある皮は、猫とか犬の皮を張る。

津軽三味線のような大型の三味線には犬の皮を、小唄などに使う小型の三味線には猫の皮を使うそうだ。昔からの伝承として使われてきたが、最近は偏った動物愛護の観点から日本では、もう作れなくなってしまったそうだ。

現在は、中国やタイから輸入しているようだが、良い皮がなかなか入らなくなってしまい苦労しているそうだ。

昔、私が子供のころには、飼い猫がいなくなったりすると“三味線屋に連れて行かれた!”などと、ホントかウソか判らないような噂が流れたものだ。

923_5 三味線の皮をよく見てみると、四点ほどの印がついている、これは猫のお乳に当る所だ。猫以外の皮を使った時には、わざと印を書き込むという。

大きな犬の皮の場合、一番良い所が、胸の部分。二番目が腹の部分、次にお尻の部分、最後に首の部分と順位が付けられるそうだ。

舞台用の高級品には、表に胸皮を、裏にお尻の皮を、

練習用のものには、表にお腹の皮を、裏には首の皮を、と、どの皮を使うかでも相当な値段の差が出てくる。

つづく、

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