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8月18日、南アルプス南部の悪沢岳を目指し、畑薙ダムを目指す。今年最後の夏山となるだろう。この畑薙ダムだが、ブログで登場するのは3回目だが、場所はといえば静岡市の井川地区にある。井川といえば、大井川の井川であり、その源流だ。さらに、今年も開催されたTJAR(トランスジャパンアルプスレース)で、大会3連覇した望月選手の故郷でもある。ちなみに、井川地区は静岡市の葵区にあるのだが、静岡市から75km、車で2時間かかる奥深い場所だ。
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夜半に臨時駐車場到着、車中泊で夜明けを待つ。南アルプス南部のルールは、この高速出口から2時間林道みたいな県道を走ってたどり着く畑薙ダムに臨時で設置された駐車場に車を止め、ここから東海フォレストが運行する夏季登山バスに乗り換え椹島まで移動、それぞれの登山口にむかう。実に面倒くさいのだが、結果として人が少ない。写真は、翌19日朝、駐車場から赤石岳方面を望むが、雲に覆われ何も見えない。
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今年は、昨年、聖、赤石と縦走したのに続き、その北側に位置する、悪沢岳、千枚岳を縦走するコースとした。20日に自宅に戻るためには、19日に椹島から千枚岳、悪沢岳を踏破し、荒川小屋で一泊、翌20日、小赤石岳に登り、椹島に戻るスケジュールとなる。初日は2000mの標高差を一気に登り、16km移動する事になる。ヤマケイでは9時間のコースタイムだ。天候は週末に向かって下り坂、晴れ男に昇格したかと思っていたが、そうでもないようだ。朝6時半の臨時バス(夏のピーク時には臨時バスがでる。普通の始発は7時半)に乗り、椹島を8時に出発。15分ほど歩いて、大井川本流から分岐する沢に掛かる橋の手前で登山道に入る。
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ブナとミズナラの深い森を歩く。清水平の水は軟らかくて美味い。
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12時20分、千枚小屋到着。標高2500mにある、多くの登山者が初日に泊まる小屋だ。Takはまだ先が長いので、食事をして先を急ぐ、と、何と、レインウエアが無い!しかも上着。今日は雨にあたる可能性があると見てザックの上に入れたはずが無い。恐らく、まえの休憩で、行動食を出し入れした際、置き忘れたに違いない。これでは落し物忘れ物3兄妹ではないか!とはいえ、天気が下り坂の3000mクラスの山で雨具がないのは致命傷だ。どうしよう?まずは、小屋のお兄さんに、聞いた。あっさり、ありません!今日、天気が持つうちに荒川小屋までたどり着けば、明日はコースタイム6時間だ。最悪何とかなるかも、と思い直し、さきを急ぐ。しかし、この落し物は尾をひく。
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13時30分、千枚岳到着。天気はまだ大丈夫だ。これから、丸山、悪沢岳、中岳を越えて進む。何とか天気、持ってくれ!
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奥に見えるのが通称「悪沢岳」、本名は荒川東岳の前衛部。山頂はその奥でここからはまだ見えない。
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丸山(3032m)を過ぎると、悪沢岳山頂が見えてくる。何故わるさわ、なのか?山容が、いかにも悪そう?沢が急で取り付きにくいからだそう。
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14時35分、悪沢岳山頂到着。ガスがかかって周りは見えない。
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千枚岳も既にガスの中。
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中岳に登り返す途中で振り返ると悪沢岳前衛部がはっきり見えた。
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中岳への登り返しもキツイ。
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15時40分中岳(3083m)山頂。
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17時、殆ど雨に当たることなく荒川小屋到着。この時間だと、晩御飯はカレーのみ、朝の弁当もダメ。
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その代わり、広いスペースを貰った。その夜、風が猛烈に吹いてきた。これに雨が加わったらどうなるか!明日も3000mの小赤石岳を越えねばならない。暴風雨の中、レインウエア無しでは命に関わる。明日は絶対に帰らねばならない。さてどうする。一晩まんじりともせず、朝の3時を迎えた。風は相変わらず強いが晴れているではないか!これは早く出て、雨が来る前に下山するしかない。
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4時前に荒川小屋を出ると、赤石岳方向がはっきり見える。
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小赤石岳に向う途中、富士山。
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強風でガスがかかっているが、小赤石岳山頂も見えた!
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5時15分小赤石岳山頂(3081m)。強風で寒い!
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小赤石岳から降り始めると、ガスが晴れた。朝日に照らされた、赤石岳。
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昨日登った左、悪沢岳、右ガスがかかっているのが千枚岳。その下の尾根を登った。
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八ヶ岳。
こうしてTakの最後の夏山登山が終わった。その後、大倉尾根(南アルプス南部は、むかし、大倉財閥に払いさげられ、この名が付いた)を下り、9時には椹島のバスターミナルに到着。最後まで雨にはあたらなかった。さすが晴れ男⁉︎痛恨のレインウエア忘れにもかかわらず、無事下山出来たのも日頃の行いが良いためだ。下山後、雨が来た。すぐに、井川神社にお礼参りに行った。
その後は、白樺荘で温泉に入り、帰宅。