Takの山行記録とバイオリンとかAIとか

山行記録に加えて必死に練習中のバイオリン、必死に勉強中のAIについて

雌阿寒岳(1,499m) 2022-9-16

2022-09-17 13:37:00 | 日記
北海道遠征4日目、三座目の雌阿寒岳です。阿寒岳は日本百名山なのですが、阿寒岳には雌阿寒と雄阿寒が阿寒湖を挟んで並び立っています。標高は雌阿寒が高いのでこちらを百名山としているようですが、片方だけでは登った事にならないのではないでしょうか?と思い、昨日、今日で両座登る予定にしていました。しかし、一昨日の荒天で昨日は斜里岳となったため、雌阿寒のみ登りその後は明日の十勝岳に向け富良野に移動する事としました。申し訳ない、雄阿寒!
今日は昼前から下り坂の予報です。すでに日の光はありません。天気を考え最短コースの雌阿寒温泉コースとしました。

針葉樹林帯をぬけると左手にフップシ岳が現れます。支笏湖の風不死岳には漢字が当てられていますが、こちらには無いようですね。アイヌ語読みそのままカタカナが良いのではないでしょうか?風不死岳、では不気味ですよね。そういえば、支笏も元は死骨、だったそうです。

太陽が薄く見え始めました。山頂まで持ってくれ!と呟きながら登ります。
南西には日高山脈がその長大な姿を現しました。僕がまだ足を踏み入れていない場所。来年は行くぞ!
オンネトーが見えてきました。神秘の湖、と言われていますが、北海道にある多くの湖も原生林に囲まれ、原始の姿を今に残している訳で、神秘の湖だらけ、だとも言えます。


山頂から、中マチネシリ(剣ヶ峰)火口と、阿寒湖の先に聳え立つ雄阿寒岳(1,370.4m)。

中マチネシリとは反対側の火口。中の火口は赤沼と呼ばれています。

赤沼に対して青沼。その先は阿寒富士(1,475.8m)。
日高山脈をもう一度。

北海道の森は広大です。遠くに町や人工物が見えない場所が沢山あります。既に日本のスケールを超えています。そこが僕が惹かれるところのひとつです。

最後にオンネトーから見た雌阿寒岳。残念ながら、山頂を見せてくれる事はありませんでした。
雌阿寒温泉には野中温泉という宿が一軒だけ営業しています。日帰り入浴¥400。素晴らしい温泉なんですが、残念な事に洗い場が無くてシャンプーできません!
雄阿寒岳をパスした祟りか、下の岩場で浮石を踏み一回転しました。新品のパンツに穴が開きましたが他は擦り傷程度で済みました。慌てて降ってはいけません。





斜里岳(1,547m) 2022/09/15

2022-09-16 06:17:00 | 日記
9月15日は、北海道遠征3日目。斜里岳に登りましたが、その前に清里町の登山口にある清岳荘について語らなくてはいけません。ここは管理人さんのいる素泊まり専用の山小屋です。駐車場は50台程度、炊事場、靴洗い場など欲しい設備が整っています。駐車料金、トイレ使用料もあくまで協力金の形で100円と良心的です。


そして昨日9月14日早朝の掲示板です。この日は夜半からオホーツク海高気圧が発達し、一時的に冬型の気圧配置となりました。僕も登るつもりでやってきましたが、管理人さんの説明でこの日の登山はやめにしました。尾根の気温が4度、風速は20mでそもそも歩けないことにくわえ、体感温度は氷点下10度近くにもなり、低体温症のリスクが極めて高いという事でした。ベテランには当たり前の話かもしれませんが、懇切丁寧な説明は初心者や初めて登る人にはとてもありがたいと思います。加えて、雨も相当降ったので、沢の増水でますます危険だった事でしょう。
そして翌15日、再チャレンジです。朝4時半の気温2度、車のフロントガラスが凍っていました。西日本はまだ厳しい残暑にもかかわらず、です。

そのかわり天気は最高、冬晴れの日のように空気が澄んでいます。

斜里岳は沢伝いの登りが素晴らしい。殆ど沢登り状態でおどろきました。大小の滝が連なり、マイナスイオンが満ち溢れています。本当はそんな余裕もなく、必死でよじ登っていたのですが。

巻道もありますが、滝の横を攀じ登る方が多いです。昨日は大変な事になっていたのでしょう。

夏山ガイドには、往復この沢を通るのが標準とされていましたが、無理、です。

源頭が近づき視界が開けてくるとあたりが明るくなり、登るスピードも上がります。

昔、春の雪渓で穴に落ちた先輩がいました。この沢の上だったんでしょうかね、下まで落ちたら大変でした。

滝は続くよ、どこまで続く?


これは山頂ではありません。
オホーツクの豊かな畑作地帯。馬鈴薯や甜菜が主要な作物。遠く網走の港、さらにサロマ湖まで見えます。

羅臼岳のさらに奥に硫黄山。

国後島のあの山の名前はなんでしょうか?立派な円錐形です。

摩周湖、屈斜路湖。

山頂に長居をして下りは尾根を辿る新道コースです。沢登りの旧道は、僕にはとても降りられません。すれ違った皆さんも、新道を帰ると言っていました。

竜神の池。水が湧き、ここから沢に流れ込みます。ものようなものがユラユラと、小さな竜のようです。水は青く、神秘的な感じで、少し遠回りですが是非立ち寄りたい場所です、

新道は一転して長閑な尾根歩きとなります。広大な斜里平野を眺めながら楽しく歩けます。

這松の道は綺麗に整備されています。どなたが手を入れてくれるのでしょうか?感謝!

素晴らしい天気に恵まれて、昔見た姿のイメージに違わない、素晴らしい登山でした。地元の青年も、何度も来たくなる山、というだけのことはあります。沢登り、滝、360度の眺望、オホーツクの全てが見える斜里岳にみなさんも是非来てください。




羅臼岳(1,661m)

2022-09-14 18:09:00 | 日記
5:00に岩尾別温泉木下小屋を出発、天候は次第に回復と信じて登ります。北海道の夏山はオプタテシケ以来です。北海道の山は奥行きが深く、足場の悪い、ハードルが高いイメージを持っています。覚悟していましたが、意外にも良く整備された登山道でさすが百名山、ですね。極楽平あたりから、さらに北に位置する硫黄山(1,562m)が見えました。

大沢出合からは沢筋を伝い斜度を上げます。沢筋と言っても水の流れはなく、初夏であれば一面のお花畑となるのでしょう。

大沢を登り切ると羅臼平に出ます。広大な這松の広場で、南に羅臼岳山頂、北に三ツ峰(1,509m)を配して実に雄大な眺めです。風が強くなく、日差しがあれば一日中いたくなるような、そういう場所でした。

羅臼平から山頂までは急な岩登りでした。そもそも僕は高所恐怖症なのでこういうところは勘弁して欲しいのですが、山頂からの眺めには変えられません。そしてその甲斐あって、知床の山々、オホーツク海と国後島、これから登る斜里岳まで一望できました。


山頂は切り立った岩山です。どのくらい怖がっているかは引けた腰と引き攣った笑顔からご推察ください。


東には国後島が見えます。反対の西にはウトロ港、あのKAZ1が出航した港も見えます。この船が沈没したとされるカシュニの滝も、この山頂の北西です。今の視界が届く中で多くの方が犠牲になったと思うと、胸が痛みます。

南は遠音別、海別、斜里岳と続きます。この一帯は、馬鈴薯、甜菜の大産地で、以前は良くこの地を訪れていました。ある冬に見た斜里岳の姿が忘れられません。

素晴らしい山頂ではあるのですが、どうにも落ち着かず、下山を開始します。下りの時には登りでは目に入らないものが良く見えます。大沢は今も高山植物が多く見られます。


そして紅葉です。まだ浅い色合いですが、季節は確実に進んでいました。僕はこのくらいの紅葉の始まりが好きです。

先月、8月15日に父が亡くなりました。94歳での、いわゆる大往生です。僕が登山をするきっかけは、幼い頃に父に連れて行かれた登山です。秋田の駒ヶ岳や乳頭山に毎年のように、当時は、登らされたものです。勿論、その時は嫌でたまりませんでしたが、世の常で、大人になって、これを趣味とするようになりました。まだ49日も終わっていませんが、予定していた北海道山行は弔い登山、とこじつけてフェリーに乗ってやってきました。おやじ、これが羅臼岳だよ。