竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

電線の弛むもゆたか初景色 髙勢祥子

2019-01-11 | 新年



電線の弛むもゆたか初景色 髙勢祥子

初景色は、元日の四方の景色。昨日までと何ら変わらない風景ではあるけれど、年があらたまることで淑気が満ちて見えるのだ。何にそれを感じるか、何を見てどの景を切り取って初景色と言うか。この句の作者は頭上に横たわり揺れる電線に目を留めている。見なれたそのゆるやかな曲線を、ゆたか、と表現することで、作者の晴々とした心持ちと共に清々しい初御空がどこまでも青く続くだろう。(硬く青く一月一日の呼吸〉〈初鳩の考へてゐるふうで暇〉など、他にも個性的な正月の句が並んでいる。『昨日触れたる』(2013)所収。(今井肖
子)

【初景色】 はつげしき
◇「初山河」(はつさんが) ◇「初風景」
元日のめでたく神々しい雰囲気の満ちた景色をいう。元日には、日頃見馴れた景色さえも清々しく美しく思われる為、特にめでたくこういう。

例句              作者

眺めゐる老人もまた初景色 黛 執
葛飾は霜に芦伏す初景色 能村登四郎
灯台の一徹の白初景色 片山由美子
山国の長き停車の初景色 木内彰志
影として犬が横切る初景色 上田五千石
たちまちに日の海となり初景色 鷹羽狩行
野ざらしの黒酢の甕を初景色 藤田あけ烏
美しくもろもろ枯れし初景色 富安風生

対岸に老の大喝福寿草  流伴

2017-12-27 | 新年
対岸に老の大喝福寿草




元気な老人がこの朝の寒風のまかをウオーキングしている
行きかう道すがら会釈の挨拶を交わす

対岸に大きな声
なじみのアサトモだ
言葉は聞き取れないがその大声の挨拶は
何かを叱っているかのようだった

原句 対岸に老人の声福寿草
発表 2013/1/15 遊牧084

「元気です」ひとことですむ去年今年 

2016-01-06 | 新年
元気です」ひとことですむ去年今年 






今日は小寒

いよいよ寒さも本番のはずだがどうにも季節感がない

厚手のコートは使わず終いになりそうな陽気だ

牙城の整理も終わったところだが

だすのももらうのもそえるひとことは

「元気です」他に伝えることも理由もない

真っ新になるわけもなし去年今年

2016-01-04 | 新年
真っ新になるわけもなし去年今年





真岡市の大前(おおさき)神社
長女夫婦に誘われてワイフと詣でた
昨年のS神社のあまりにも合理的な対応に
少しの寂しさがあったので今年は
H観音に詣でたのだが
参拝者の対応のまずさで有難味が半減していた
ここは以前と変わらない対応で満足した

最近の神社やお寺さんは商業的にんりすぎていて困る
「いちいちわざわざ」の文化を残しておいてほしいと思う

胸はだけふぐりおとしやご神木

2015-02-02 | 新年
胸はだけふぐりおとしやご神木   たけし





神仏に頼ることはないがおろそかにはしない
同じ世に生きて同じ努力をし同じような能力の人が
同じような生老病死をするわけでもない
何か不思議なお導きがあるのかも知れぬと思う

来し方の無事を感謝し行く末の安穏を願う
願うとは祈ること
祈願 祈る願う と書く

善男善女の厄払い
ご神木に瞑目し上半身を裸にしてご神木を抱え
その気を頂いたことがあった

初富士や喜寿も傘寿もまだ余生

2015-01-04 | 新年
初富士や喜寿も傘寿もまだ余生







平成27年 年があけました

新年にあたっての抱負や目標などを思わなくなって暫くの年月がたちます

責任や義務から解放されての余生の特権だと

それが権利のようにふるまって生きていますが

長くなってくるとあまり居心地がよくありません



私は今年71才の未年です

「二度童子」は還暦すぎの老人をいうのだとか

それからもう12年が経過しています



次の未年には84才

喜寿も傘寿もその途中です

そんなに長い余生はたくさんですが

これbかりはどうにもなりません

昨夕初詣の帰りに300㎞先の夕日を背にした富士山がみえました

所在なく家のひろびろ小晦

2014-12-31 | 新年
所在なく家のひろびろ小晦 たけし








子供たちが親離れしてワイフとの二人暮らし

年末のあの慌ただしさはずいぶんと減っていて

私もワイフもしんどいようなことはない



掃除やかたずけなども

手抜きが常態になっているので年々楽になる

子供らの使っていた部屋も

ほとんど納戸みたいな使い方をしているので構うこともない



歳晩 数え日 煤払い 気を急かせる言葉も縁遠くなっている

玄関を少し丁寧に掃除して正月の買い物をすれば 年用意は終了する



所在なくみまわす家は

なんともひろびろとがらんどうと感じられてならない

紅唇の七役十役三ヶ日

2014-12-28 | 新年
紅唇の七役十役三ヶ日   たけし







ご婦人方に眉をひそめられそうだが

正月の三ヶ日はどこの家でもご婦人は忙しい



主婦 母親 祖母 の役回りをこなしながら

聞いたり話したり

食べたり 飲んだりも 忘れない



年始客にとっておきの愛想も大切だ

いつもより濃いめの口紅



七役十役は重要人物である証明でもある

初風やしばらく遠を眺めおり  法夢子

2014-08-16 | 新年
初風やしばらく遠を眺めおり  法夢子





ときおりふと秋を感じさせる風に逢う

空にはいつしか積乱雲が姿をけしていて薄い雲

朝夕、遠くの山並みが鮮やかに映ったり



盆も過ぎればいよいよ急速に秋色になる

心地よい秋の初風を感じながら遠くをしばらく眺める

激しかった夏の終わりが近い

受験生鳩の見送る三ヶ日

2014-01-08 | 新年
受験生鳩の見送る三ヶ日





中学、高校、大学へと孫4人のうち3人が今年は進学する
中学は義務教育で問題はないが高校大学は受験がある

この三ヶ日大学受験のJ君は予備校の特別講習に参加した
早朝から夕方までの詰め込み授業だ

庭に住み着いている野鳩が毎日見送っていた
爺はただ祈るのみ

刺青の女も優し初詣

2014-01-04 | 新年
刺青の女も優し初詣






初詣ではみなが善男善女でみなやさしい顔をしている
特に子や孫をみるその顔は恵比寿か布袋かと見まごうばかり

母の顔はまたいつにもまして美しく
その美しさが一層に柔和な表情を作り出す
子や孫はそんな母や祖母をほこらしくまた笑顔

たくさんの家族のなかに空気の違うひとかたまりの家族がいた
屈強の男達に守られるようにしての「母と子
その母の背中には刺青もあるに違いない

しかしその母の顔もまたやさしい

元気ですひとふでがきの去年今年

2013-12-30 | 新年
元気ですひとふでがきの去年今年




生きること 人生は生きている時間だと思っている
産まれてよりみまかうまでが人生だ

80年90年のケ属した時間
悲喜交々の過程はあるが切れることはない
「hiおふでがき」だ

今年も終わる
しかしながらしっかりと来年につながりそうだ
最後にどんな画や文字、作品に仕上がるのだろうか

さあー まだ余白はたっぷりありそうだ