沖波に真帆の数々夏近し 2015-04-30 | 春 沖波に真帆の数々夏近し たけし 春の穏やかな海 沖の波に揺れる白帆がゆっくりと揺れている 結構な速さだろうと察するが ここからは止まっているかのようだ 夏が近い
春筍を掘るや地球のどまんなか 2015-04-29 | 春 春筍を掘るや地球のどまんなか たけし 筍は初夏の季語なんふぁと知った 春の盛りに筍がたくさん芽を出して あっというまに成長するが これは初の筍というのだそうだ 筍飯は夏のものらしい 時代が変わり暦も変わり 季節の移ろいも大きく変わっている 筍を掘った真っ黒な土に覗く穴 地球の中心に向かって真っすぐだ そうだ ここは地球のどまんなかなんだ
春惜しむ手を振りあつて無人駅 2015-04-28 | 春 春惜しむ手を振りあつて無人駅 たけし わやらせk理国鉄道に乗って桐生から足尾めで さくらを鑑賞したのは1ヶ月ほど前になる エオカルの無人駅 不思議な形 トロッコ列車 花を愛でるためにだけ集まる帯びた他sぐう人の群れ 電車に乗る人 送る人 みな手を振りあっている 春はもう終わる それを惜しむ
風紋の語るに飽かず夏隣り 2015-04-27 | 春 風紋の語るに飽かず夏隣り たけし 海浜に春を惜しむような風が 風紋を刻んでいます その造形は人のつくるものを遥かに超えています その様をみていると飽きることはありません 風が海が砂が語りは止みません
若葉風帰国媼のすする蕎麦 2015-04-26 | 春 若葉風帰国媼のすする蕎麦 たけし 鎌倉の寺社巡りの実景である 終戦後 米人と結婚し米国暮らしの婦人と 蕎麦やで相席となった 私よりも20歳ほどの年長だがすこぶる元気 何度か日本への故国はしているが 今回がきっと最後だろう と語っていた たくさんの辛い体験を昇華したようで その顔は清々しい 蕎麦をそれはそれは美味しそうにすすっていた
またひとつ失くすしがらみ若葉風 2015-04-25 | 春 またひとつ失くすしがらみ若葉風 たけし 現在の住まいになってから23年目になる 20年ほど前に植えた山法師の若葉が眩しい 子供たちを育て仕事に汗し孫たちを慈しみ そして仕事を辞して11年 この山法師の大きさは歳月の厚みを語るようだ 毎年葉をおとしてはこの季節に新しい葉をつける 私も毎年しがらみという 人生の垢みたいなものを捨てている
大仏や諷経のやうに花吹雪 2015-04-24 | 春 strong>大仏や諷経のやうに花吹雪 たけし 鎌倉の大仏はなんとも美男 仏様なのだが人間未にあふれていて親しみ深い 桜の咲き初めの頃から何度か訪れている 花散らしの雨や風の風情もまた捨てがたい そんな時、しばらく佇んでいると 桜の絶え間ない花吹雪に たくさんの僧侶の読経を聞いているような感覚があった
涅槃西風沖縄壕にボランティア 2015-04-23 | 春 涅槃西風沖縄壕にボランティア たけし 戦後70年というのに沖縄の洞窟には 戦死者の遺体遺品が置き去りだという この国の統治者の感覚を疑う 若いボランティアの活動をTVが報じていた 遺品を探索する状況も報じられたが これがニュースになり賞賛されていることが不満である
振り音に個性はみせず種袋 2015-04-22 | 春 振り音に個性はみせず種袋 たけし この季節 どの家の庭にも花の芽が出始めている 我家では植えた覚えのない草花があとこちに咲きだした 毎年来年は春に芽を出すように種を蒔こうと思うのだが 一度もできないでいる 種袋も何度か求めてがそのままである その袋を振ってみる カサカサと乾いた音がする みな個性は秘めたままで明かさない
春宵や古伊万里の藍なお深し 2015-04-21 | 春 春宵や古伊万里の藍なお深し たけし 春昼はまばゆい光にあふれ生物はみな生気にあふれている それに比して春宵はなんとももの悲しい感じなのは何故だろう 喜びは常に悲しみの裏側にあるのかも知れない 古伊万里の藍色の壺 じっと眺めるとその藍色が濃くなってくるようだ
雨粒を頬張つてゐる山椒の芽 2015-04-20 | 春 雨粒を頬張つてゐる山椒の芽 たけし 木の芽時 よいう季語の句を欲しいと思っている 芽吹く木の芽はなんとも早春の風情で好ましい 先日の雨で小さな拙宅の庭木も元気である ふと雨粒が山椒の芽にとどまっている 見ているとだんだん膨らんでいく 眼の錯覚だろうか
手にあまる孫と同年庭桜 2015-04-19 | 春 手にあまる孫と同年庭桜 たけし 三人目の孫が一七才になる この子が生まれた時に植えた桜 毎年いっぱいの花を咲かせてくれる 孫たちの地意思時は抱いたり持ち上げたりして 愛でていたものだったが 孫も大きくなってその行動も会話も理解できない事が増えた 孫の成長と自身の加齢はかみ合うはずもない 桜の樹も大きくなりすぎて枝の選定も手におえない
鶏合いざ三度の力水 2015-04-18 | 春 鶏合いざ三度の力水 たけし 亡父は隻眼スキンヘッドの偉丈夫で元相撲取だと聞いている 相撲を怪我で止めてからは定職をもたず 気ままな自由人 平たく言えば遊び人だったらしい 闘鶏が趣味で家でたくさん飼育していてた 闘鶏当日は軍鶏に気合を入れて夢中になっていた事を覚えている
紙風船わからぬやうに息扶く 2015-04-17 | 春 紙風船わからぬやうに息扶く たけし 時代が少し古い景だが こんな記憶が鮮やかに残っている 扶けたのは自分の記憶だが 扶けられた記憶も仕舞われているようにも思われる
トラクター孕雀が後に従き 2015-04-16 | 春 トラクター孕雀が後に従き たけし 今は田起こしの季節だ 天気の良い日はトラクターが田を縫うように動く 見ればその後ろにはいくつもの雀がついて回って売る トラクターに起こされた土から さまざまな生き物が這い出てくる 雀はそれを狙っているのだ おなかの卵への母性だろうか 巣で待つ雛への夕餉だろうか