指先や大つごもりの水使ふ 井戸昌子
一昔前の大晦日は正月の用意の不足を間に合わす支度で
母、妻、娘など家の女性はてんやわんやだった
掲句の「指先や」が印象的だ
読み手にその解釈はさまざまで
作者はそれを読み手に投げかけて説明は省略している
そこが憎い技といえよう
(小林たけし)
【大晦日】 おおみそか(オホ・・)
◇「大晦日」(おおつごもり) ◇「大三十日」(おおみそか) ◇「大年」(おおとし) ◇「大歳」(おおどし)
12月の末日のこと。陰暦の12月30日であるが、陽暦では12月31日。大晦日(おおつごもり)ともいう。元旦を明日に控えた一年の節目の日。いろいろな行事とともに様々の人生絵巻が繰り広げられる。
例句 作者
にんげんのはなしはしない大つごもり 松本照子
俎に大年の水走らせる 松本隆吉
大年の机上さながら海漂ふ 松澤昭
大年の汐騒松に韻きけり 根岸善雄
大年の没り日に犬と染まりけり 細貝文恵
大年やおのづからなる梁響 芝不器男
大年やぶらりと海に来てゐたり 林満子
大年や鎧のごとき佐渡箪笥 柳澤和子
大晦日犬が犬の尾垂れている 清水哲男
大歳の水薬を飲みつくしたり 藤木清子
巌が船つと押し出せる大晦日 清水睦子
母の待つおほつごもりの峠越ゆ 平賀節代
漱石が来て虚子が来て大三十日(おほみそか) 正岡子規
盛り場のおおつごもりが雪になる 石田素
知己ゆゑの葬に出づる大晦日 高木節子
飛行機雲大つごもりの黒冨士へ 髙梨久子
にんげんのはなしはしない大つごもり 松本照子
俎に大年の水走らせる 松本隆吉
大年の机上さながら海漂ふ 松澤昭
大年の汐騒松に韻きけり 根岸善雄
大年の没り日に犬と染まりけり 細貝文恵
大年やおのづからなる梁響 芝不器男
大年やぶらりと海に来てゐたり 林満子
大年や鎧のごとき佐渡箪笥 柳澤和子
大晦日犬が犬の尾垂れている 清水哲男
大歳の水薬を飲みつくしたり 藤木清子
巌が船つと押し出せる大晦日 清水睦子
母の待つおほつごもりの峠越ゆ 平賀節代
漱石が来て虚子が来て大三十日(おほみそか) 正岡子規
盛り場のおおつごもりが雪になる 石田素
知己ゆゑの葬に出づる大晦日 高木節子
飛行機雲大つごもりの黒冨士へ 髙梨久子