御仏に奉らむ紫藤花六尺
白梅や夕雨寒き士族町
寂として南殿さびしき春の雨
海遠く霞を餐せ小島人
徐福去つて幾世ぞひるを霞む海
饅頭の名も城見とぞ春の風
かたまりて木花黄にさくや雪解水
したたらす脂も松とぞ春の山
欝として黒松に春の朝日せる
雲か山か日にかすみけり琵琶の滝
白梅や夕雨寒き士族町
寂として南殿さびしき春の雨
海遠く霞を餐せ小島人
徐福去つて幾世ぞひるを霞む海
饅頭の名も城見とぞ春の風
かたまりて木花黄にさくや雪解水
したたらす脂も松とぞ春の山
欝として黒松に春の朝日せる
雲か山か日にかすみけり琵琶の滝
今回からしばらく芥川龍之介を鑑賞したい
表題句はいかにも龍之介らしい
龍之介の背後にはっ常に仏様がおられる
背後と云うよりは共にお気付いているようでもある
六尺の見事な藤の房
この世のものにしてはあまりにも雅でいて寂しい華やかさだ