竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

昼顔のみさかいのなくからみをり

2016-05-27 | 
昼顔のみさかいのなくからみをり



昼顔はあの可憐な淡い色合いに似ず
なんとも逞しい
炎天のなかで咲き続ける
水を欲しがる風でもなく
身を預けるものがあれば絡み付いて高みへと昇る
花が終わった後の蔓はこれまた強靭である
ひっぱって手を痛めるほどだ
朝顔 夕顔 それおれにしっかりとした個性がある

なぞりたる古き碑青葉風  

2016-05-25 | 
なぞりたる古き碑青葉風  



古い碑が緑の風を受けている
刻字は読めないものの方が断然多いのだが
眼でなぞり時には指でなぞってみたりもする
気の遠くなるような長い年月
たくさんの風雨を乗り越えての今日
この先の年月のほんの一瞬である
風がやさしい

軍服を脱いでほんとのクールビズ

2016-05-23 | 
軍服を脱いでほんとのクールビズ




サラリーマンの背広にネクタイ

これは現代の背広だろう

仕事場は線上だ

夏になってクールビズがいわれるようになったが

常態戦場の気持ちは変わらない

退職してからこそがほんとうのクールビズだ

なんどでもおなじあいさつ夕薄暑

2016-05-17 | 
なんどでもおなじあいさつ夕薄暑



朝のウオーキング、夕べの散歩
知った顔、見知らぬ顔と行き交う
同じように同じ挨拶を交わし合う
暑さ、雨、桜の終わり、熱気球など
同じ町に住んで同じ空気で暮らしている

旅行誌のほこりをはらひ夏の夕

2016-05-16 | 
旅行誌のほこりをはらひ夏の夕



春夏秋冬 旅行はいつだってシーズンだ

毎月送られてきる旅行誌をめくって思いをめぐらすが

気付けば季節はめぐっていて今年も半ばである

ほこりを被った旅行誌を紐でくくってゴミにまとめる

金色の植田に高き嬰の声

2016-05-12 | 
金色の植田に高き嬰の声



昨今の田植えは田打機がほとんどで

家族総出の昔のおもむきはない

それでも老いた農夫の作業が終わるころには

おばあちゃんが小さな子供を連れてやってくる

おりから夕焼けて植田は金色に染まる

子供の声は高く鋭い

ふぞろいの宮の石段新樹光

2016-05-10 | 
ふぞろいの宮の石段新樹光


寺社の石段が好きだ
見上げるような勾配があると登らずにはいられない
掃除もあまり行届いていないほうが自然で良い
その石段が古びて不揃いでこばこに
若葉を通して日がさしていたら何をか云わんだ