竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

白障子嘘のとおらぬ佇まい

2015-12-30 | 
白障子嘘のとおらぬ佇まい





白く貼りなおした障子は

その周囲の空気を一新させる

いいかげんな言動は似合わない

やんちゃな子供たちも姿勢を改めるようなところがある

嘘などとおるはずもない
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頬被りはたらくふりのしらんぷり 

2015-12-29 | 
被りはたらくふりのしらんぷり 








「煤逃げ」などとの季語があると知った

江戸時代の日本人はなんて愉快な庶民が多かったのだろうと感心する

今風におえば 働くふりの知らんふり だろう

全然いただけない
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歳晩や生きるつもりのやりのこし

2015-12-28 | 
歳晩や生きるつもりのやりのこし




いよいよ今年もおしつまってきた

今年の内にこれだけはと思っていたものがそのまま残ってしまいそう

ま来年もあるさ

まだ7しばらくは死なないつもり
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冬蝶の陽のあるかぎりけふかぎり

2015-12-27 | 
冬蝶の陽のあるかぎりけふかぎり








最近の風潮は刹那主義のようにみえる

現在がなければ未来はないのだから

現在こそが大切という理屈だろうが

現在は過去があったからこその現在で

未来のためにこそ現在があるとして行動すべきだ
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ひとことの多くて寒さ居座りぬ

2015-12-26 | 
ひとことの多くて寒さ居座りぬ





沈黙は金なり

中身のない饒舌

うっかりのひとこと

ひとことでその場の空気が変わってしまう
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笹鳴りの息とめたままとおりぬく

2015-12-25 | 
笹鳴りの息とめたままとおりぬく




じゃまにならぬように
嫌われないように
この幸運を逃がさぬように
息をとめてそっと通りぬける
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炬燵にはそしてそれから事欠かず

2015-12-24 | 
炬燵にはそしてそれから事欠かず






我家から炬燵が消えて久しい

貧しく子供が小さかった頃の炬燵がなつかしい

話が絶えることなく延々と続いた

この頃は親子の断絶

子供の自殺や家出などなかったように思われる
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路地裏を離れられなく冬の鳩

2015-12-23 | 
路地裏を離れられなく冬の鳩





最近は街中で鳩や鴉をよく見かける

ほとんど棲家にしているような感さえもある

天敵もいなく 餌も豊富なのだから

賢い彼らが定住する理由は十分にあるという訳だろう

山へ遊びに行って夕暮れ街に帰ってくる習性に変わりそうだ
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それぞれの怪し鍋の具年忘れ

2015-12-22 | 
それぞれの怪し鍋の具年忘れ




鍋の具をそれぞれが勝手にもちこんでの暗闇鍋
こんなふざけた忘年会をやっていた頃がある
いじわるな仲間
アイデア豊富な優れもの
真面目にオーソドックスな具をそろえる者
てんでんばらばらなのだが
口に入れてからその正体を知るおもしろさ
今の若者にはこんなアナログの楽しみはないのだろう
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尊厳死つたえてかろき冬桜

2015-12-21 | 
尊厳死つたえてかろき冬桜







尊厳死をのぞんでいる

ゴムチューブでの長生は遠慮したいと子供たちに伝えた

健康余命をエンディングにしたい

感謝を正気で伝えられる力は自力でなければ・・・
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凍滝の全山の音たたみをり

2015-12-20 | 
凍滝の全山の音たたみをり




凍った冬の滝が好きだ

山の音という音をたたみこんでいるような

静寂が良い

万象の時間を止めているような

極寒真冬が良い
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首からむ白鳥のゐて小半日

2015-12-19 | 
首からむ白鳥のゐて小半日




隣町のO市の大沼に白鳥が飛来してきている

長い飛行の果ての安息

首をからめあうものもいて

散策をしながら眺めていてあきることはない
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去年今年俄か仏徒の膝詰めて

2015-12-18 | 
去年今年俄か仏徒の膝詰めて






大晦日には家族で古河市の

長谷観音にお詣りしていた

膝を摘めて座る

一堂に300人ほどのにわか信者が一斉に般若心経

お札を頂いて帰りは出店屋台を覗きながら

現在大学生の孫がまだ小学生だった
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寒鯉の搾りきりたる緋色かな

2015-12-17 | 
寒鯉の搾りきりたる緋色かな



真冬の水は透明度が高く深い
凍結寸前の池などは
その水面のはりつめた静けさに
はっとする
池の底には悠然たる大きな鯉
緋色がこれ以上ない見事をみせてくれている
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冬めくや坂のなかほど饅頭屋

2015-12-16 | 
冬めくや坂のなかほど饅頭屋





二人の娘が中学生になったころから毎年家族旅行をした
娘たちが結婚して孫ができてからも賑やかな旅行をしたものだ
その孫も14才~20才となってそろそろ家族旅行は難しくなってきたが
たくさんの記憶が財産になっている

坂を競争のようにして上る
あの湯気の昇っている饅頭やさんまで頑張れ
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