香水の一途にながき黙秘権 2015-07-31 | 夏 香水の一途にながき黙秘権 たけし 少しだけ使用してそのままの香水瓶 その香りを私は知らない 妻の青春が閉じ込められているようだ 聞いてはいけない なんとも素敵な黙秘権???
滴りに利酒のごとしたり顔 2015-07-30 | 夏 滴りに利酒のごとしたり顔 たけし 山中のトレッキングの途中で 湧水や岩窪の滴りに遭遇する その恵みをいただく 合掌する人もいたりで様々である そのミネラルいっぱいの美味に したり顔をする人は多い 利酒をしているかのようでさえある
露座仏の鼻尖らせし梅雨の雷 2015-07-29 | 夏 露座仏の鼻の尖らせし梅雨の雷 たけし 伽藍の収まる仏像もありがたいが 雨ざらしの露座仏が好きである 訪ねての合掌もあるが 思いがけなく遭遇する時もある 名の知れぬ粗造りの座像などはたまらない おろからの荒梅雨 雷も鳴っている 鼻がかけて見えるのは目の錯覚か
日雷猫の駆け抜け通し土間 2015-07-28 | 夏 日雷猫の駆け抜け通し土間 たけし 通し土間は便利な空間だ 最近の家にはなかなか見ることはできないが 戦前の家屋にはあるのが普通だったような記憶がある 昼の雷鳴 雨は降っていないのだが雨や風の予感をさせる 猫は賢くすでに避難をはじめたようだ
限界集落古い茄子のよく太り 2015-07-27 | 夏 限界集落古い茄子のよく太り たけし 日本中に限界集落が増殖している 寿命が延びる 赤ちゃんが生まれない そのうち皺だらけのゾンビみたいな生き物が 日本人ということになるかもしれない 旧くて大きな皺だらけの何の役にも立たない茄子が脳裏に浮かぶ
堅物のこぞって好み心太 2015-07-25 | 夏 堅物のこぞって好み心太 たけし 心太はこの季節 なくてはならぬ コンブニやスーパーに簡易な食べ方のできるものがあるが 葭簀ばりに風吹きぬける床几でいただくのが一等だ 一本箸で器用に口に運ばせる食べ方もあるらしい 心太 どうも性格的には愚直な堅物の好みらしい と思うのは私の偏見かな?
雲の峰台座は翠男体山 2015-07-24 | 夏 雲の峰台座は翠男体山 たけし 栃木県に暮らすようになって凡そ40年 日光那須へは何度訪ねたことだろう 神社仏閣はもとより各地の温泉も馴染みができた 男体山は中腹まで昇ったが踏破しないで終わりそうだ 夏の雲 ときに仏像のかたちに見えたりもする 男体山はさしずめ台座の役回り
だんまりは処世の極み大暑なり 2015-07-23 | 夏 だんまりは処世の極み大暑なり たけし 暑いときの挨拶は「お暑いですんえー」「ほうんとうに」 他には言葉は選びようもない 何も語らず聞かず眼の会釈でことたりる 騒がしい世情 だんまりを決め込んでいいぇは 愚かな為政者に孫子が甚振られてしまう
炎昼下日本のかたち歪みだす 2015-07-22 | 夏 炎昼下日本のかたち歪みだす たけし 陽炎に逃げ水 真夏の真昼に遭遇して目を疑う これは気象現象で癒される感じもsるが 昨今の社会の不穏さは不気味である 日本の形(国土)が歪みだしている 崩れ始めている
年来の友を待つ間のかき氷 2015-07-19 | 夏 年来の友を待つ間のかき氷 たけし 横浜まででかける予定でいる 高校生時代のサークル仲間で 一年先輩のN氏の詩画展がある 30年近く会っていないのだが通知をもらった お互いいつ何が起こるかもしれない年頃 会えるときにあっておこうとの気持ちだ 突然彼と昔食べたかき氷が脳裏にうかんだ
ひとことを新茶にまぎれ呑みおろす 2015-07-18 | 秋 ひとことを新茶にまぎれ呑みおろす たけし ちょっと注意しないとまずいな 親しい友人、あるいは身内にたいして こんな親切心がわくことがある 実はいらぬおせっかいで 大きなお世話 よいう事が多いものだ 相手のためと思っていることが ほんとは自分のわがままの裏返しだったりする 新茶をいただく ひところ言わないうちにふるまわれると もう何を言いたかったかも忘れている
ときところ違わず真直曼珠沙華 2015-07-17 | 夏 ときところ違わず真直曼珠沙華 たけし 曼珠沙華のあのひたむきさが哀れだ 毎年同じ季節同じ場所に同じ姿で 葉のない花がすっくと立っている 思いの途中で命を果てた女性のようだ 果ててもその色は鮮やかで また来年には立ち上がる
活け花にゴッホが嫌い日車草 2015-07-16 | 夏 活け花にゴッホが嫌い日車草 たけし 向日葵を活花に 炎天下に群生のひまわりを見ることが多い ひまわりが活けられてある 背を低くして 馴染みあるひまわりとは違う花のようだ そうかゴッホを大嫌いとする品種なんだな