秋収む高齢ばかり野良のひと 2014-08-31 | 秋 秋収む高齢ばかり野良のひと 稲の収穫が始まった 広い田圃にはコンバインが朝から騒がしい コンバインの運転席には70歳代の農夫 農家の生産者はいよいよ高齢化 田植えの時期から収穫期まで 野良で若い人を見かけることは皆無になった
ふりかえる故山は暮るる蕎麦の花 たけし 2014-08-30 | 秋 ふりかえる故山は暮るる蕎麦の花 たけし 私は横浜で生まれ育ったので故郷は都会で 現住地の方が農村なのだが 旅行先などで深い山間の集落などを訪れると古里を感じる 人類全ての古里はこんな原風景なのだろう その山間の集落を離れてしばらくの時間を歩く ふと振り返る 背後の山は早めに暮れ始めている そして真っ白い蕎麦の花がまぶしい 秋(初秋)・植物 【蕎麦の花】 そばのはな 蕎麦はタデ科の一年草。初秋のころ茎頂に白又は淡紅色の小花が群がるように咲く。花後の実から蕎麦粉を作る。
達筆の掠れたあたり秋つばめ たけし 2014-08-29 | 秋 達筆の掠れたあたり秋つばめ たけし 秋に入ったと感じる空の雲は薄く時に掠れた感じもある 雲ひとつない秋の空を予感させる 空に大筆で大きな字を書いた掠れたところ なんという字のどの部分かは あまりに大きく読み取れないが これは真似られない達筆だ その先端に帰りを惜しんでいるかのように秋つばめ 最近は芦原などに群棲しているらしい 秋(仲秋)・動物 【燕帰る】 つばめかえる(・・カヘル) ◇「帰燕(きえん)」 ◇「去ぬ燕(いぬつばめ)」「(しゅうえん)」 ◇「残る燕」 ◇「秋の燕」 夏の間、巣を営み子を育てた燕も、9月ごろになると海を越えて南方へ渡る。帰る日を間近にして高く飛んでいる燕の姿には哀愁がある
一歩づつ移ろう景や水澄めり たけし 2014-08-28 | 秋 一歩づつ移ろう景や水澄めり たけし 秋は幕をあけたばかり 山川の装いの移ろいの季節だ 万緑はその葉をおとすもの 落葉の前に赤や黄にそまるもの その時期はそれぞれに違う 湖や川の水は澄み切ってその景を飲み込んでいるようだ その辺をゆっくりと歩けば 歩みに合わせて景も動く 水はますます澄みきってくる みずすむ【水澄む】 川や湖などの水がことさら清らかに感じられる。 [季] 秋。 《 -やとんぼうの影ゆくばかり /星野立子 》
秋めくや絵馬それぞれにささめきぬ 法夢子 2014-08-27 | 秋 秋めくや絵馬それぞれにささめきぬ 法夢子 近くの神社に散歩の歩をのばしてみる 先ごろまで青々と丈のかぎりを精一杯の青稲が 今は重い頭を垂れている 空の雲は掠れたように薄い 秋がいつのまにかしっかり 絵馬の飾られている境内に秋の風がそよいでいる 絵馬は風に小さな音を立てていた それは絵馬の囁きのようだった
六地蔵小鳥十羽にこそくられ 法夢子 2014-08-26 | 秋 六地蔵小鳥十羽にこそくられ 法夢子 いろいろな鳥の雛たちが秋になると巣立ちして それぞれが自分で餌を捕らえ始める 飛ぶことにも慣れてくると連れ立って遊んでいる 街道の六地蔵 たくさんの小鳥が羽を休めたり供物をついばんだり 赤いづきんやまといものをつついたり お自走様なくすぐられてもじっと我慢して目を細めている 小鳥 (仲秋) 子季語 小鳥渡る、小鳥来る 関連季語 色鳥、渡り鳥 解説 秋、日本に渡って来る鳥や、山地から人里に降りてくる小鳥たちのことをいう。鶸・ 鶫・ 連雀・尉鶲・花鶏など。
嗅覚のおぼつかなきも菊枕 法夢子 2014-08-25 | 秋 嗅覚のおぼつかなきも菊枕 法夢子 長命を願う「菊枕」なる風習があっや雅の時代 今や長命を、おてあます高齢者ばかり 「ピンピンコrpリ」を願うのは私だけではなかろう 視力、聴力の衰えもさりながら嗅覚もおヴォつかなくなってきたようだ 菊枕(きくまくら)とは、乾燥させた菊の花弁を詰め物に用いた枕。晩秋の季語でもある。 菊は漢方では体の無駄な熱を冷ますとされ、邪気を払い、不老長寿を得ることが出来るとして珍重された。
落蝉の天に「無念の足をむけ 法夢子 2014-08-24 | 秋 落蝉の天に「無念の足をむけ 法夢子 晩秋 蝉の季節も終わる 夜明け間際に樹木の下を通りと何匹もの蝉の攻撃を受ける セミが樹木から勢いよく下りてくるのだ 落ちてくるのだ 生きているのでぶつかる時はそれなりの質感がある 落ちたセミは天に足を上げその足を命ある限り動かしている 天に足向けなにかを抗議しているような なにかの無念を訴えているような
一斉に稲穂の会釈見過ごせず 法夢子 2014-08-23 | 秋 一斉に稲穂の会釈見過ごせず 法夢子 広島の豪雨被害はすさまじく痛ましい 天変地異は珍しくもない通常のものになりそうである 自然から生まれたあらゆる生物は自然に素直でなければならない 自然を征服したかの人のふるまいが 自然を破壊してしまったのではないか 地球の歴史からみれば人類の歴史など微微たるものだ 叶おうはずがあるわけあるまい 今年も稲の収穫期が近い 稲穂が一斉にこちらに会釈したりすると 見過ごせないで立ち止まる 自然の営みに感謝することを人類は忘れてはならない
放生を待つかに擬態秋の蝶 法夢子 2014-08-22 | 秋 放生を待つかに擬態秋の蝶 法夢子 放生という言葉を知った 捉えた獲物をそのまま放すことだという 古くからある週間だからこその言葉であろう 日本人のこの感性には驚くばかりだ この言葉がなければこの句は生まれなかった 本人的には気に入っている一句だ
標識の朽ちし分岐に男郎花 法夢子 2014-08-21 | 秋 標識の朽ちし分岐に男郎花 法夢子 秋のトレッキングの季節到来である 60代は毎週のように歩き回っていた 箱根の山中で道に迷ってしまい 慄然としたのはいつだったか 山の中の分かれ道 標識がたよりなのだがそれが心もとない コンパスの使い買ってもよく分からずに 単独行が好みなのだから褒められるものではない 山の草花 名も知らぬものばかりだが
十歳児叶わぬを知り星月夜 法夢子 2014-08-20 | 秋 十歳児叶わぬを知り星月夜 法夢子 七夕は5節句の一つで「ななせき」とも読むらしい 短冊に願い事を書いて小越様を仰ぐ祈る 少女も10才ぐらいになると k叶わぬ願い を知るようになる 大人になるということは世界が小さくなるということだ ※五節句 人日(1月7日)、上巳(3月3日)、端午(5月5日)、七夕(7月7日)、重陽(9月9日)
屋久島や厚き飛魚刺身皿 法夢子 2014-08-19 | 夏 屋久島や厚き飛魚刺身皿 法夢子 5年前に単身屋久島を訪ねた 2泊3日であの縄文杉まで行ってきた 登山日は早朝4時から現地のガイドに同道し 下山解散は午後4時だった 海岸をブラビラ歩いて立ち寄った食堂 飛魚ずくしの振る舞いに感激 縄文杉の生まれた頃 トビウオはどんな姿をしていたのだろう 美酒 美味 感動の3日間であった
揚花火音まで百重大団円 法夢子 2014-08-18 | 夏 揚花火音まで百重に大団円 法夢子 夏も終わりを告げるように 夏祭りのネインイベントの揚花火が盛んである 江戸時代からの隅田川の花火は言うまでもないが 日本中の川、海、湖など行われている 何年か前になるが北海道「阿寒湖」で 真冬の揚花火をみたことがある 花火は夏のきまりでなくなりそうだ 揚花火の最後にはナイヤガラの仕掛け花火 そして空いっぱいに花火の大輪が連発連続 音もすさまじい 大団円となる
はらからの幼き日など盆の月 法夢子 2014-08-17 | 夏 はらからの幼き日など盆の月 法夢子 普段はあまり顔を合わせない親兄弟が お盆には集まる これもご先祖さまのお力のなせる仕業だと知る 幼き日のエピソードにはみな大笑い 疎遠の日常はたちまちに縮まる 空にはご先祖様のようなやさしいお月様