つばくろに動体視力嘲らる
子供時代はあまりにもはるかになるが
素早い太刀捌きを「燕返し」といって
チャンバラ遊びをしたものだ
佐々木小次郎の物干竿と呼ばれた長い剣がそれだ
目にも止まらぬ速さが燕の飛行飛行だった
燕が飛ぶ
今の私の動体視力はほとんどその姿を追えることは無理になった
発表 2017/3/10
【燕】 つばめ
◇「つばくろ」 ◇「つばくら」 ◇「つばくらめ」 ◇「乙鳥」(つばめ) ◇「玄鳥」(つばめ) ◇「燕来る」 ◇「初燕」 ◇「飛燕」(ひえん) ◇「朝燕」 ◇「夕燕」
ツバメ科の鳥。いわゆる燕尾状の2つに割れた長い尾が特徴的である。飛行が早く、飛びながら口を大きく深く開けて、昆虫類を食べる。日本には春飛来し、人家に営巣して、秋、南方に去る。玄鳥。つばくら。つばくらめ。初燕。
例句 作者
夢殿に今年の燕来てゐたり 米澤吾亦紅
燕来て新しき泥落としけり 佐藤くにを
燕のゆるく飛び居る何の意ぞ 高浜虚子
遠い橋の明るさ燕来りけり 田中太朗
山の端に乙鳥をかへす入日かな 其角
つばくろの反転信濃は青き国 木田千女
藍壺に泥落したる燕哉 正岡子規
浮御堂浮いて燕を通しけり 石田勝彦
つばめ来てまた駅頭が眠くなる 中村菊一郎
燕の飛びとゞまりし白さかな 松本たかし