春耕の田や少年も個の數に 飯田龍太
少年もというのだから田には家族だと解る
田起こしの景だろう
みな黙々と自分の手元足元をみての作業である
少年もしっかりと一人前だ
(小林たけし)
【耕】 たがやし
◇「耕」 ◇「耕す」 ◇「春耕」(しゅんこう) ◇「耕人」 ◇「耕牛」(こうぎゅう) ◇「耕馬」(こうば) ◇「耕耘機」
田返すの意。冬の間手入れをしない田や畑の土を起こして、植え付けの準備をする。かって、春の野良には、営々として鋤鍬をふる人や、牛や馬にすきをひかせて、着々と土を鋤起こして行く真剣な姿が見えたが、今では機械化され大分様子が違ってきた。
例句 作者
耕やせば土のぬくみの戦友くる 奥山甲子男
気の遠くなるまで生きて耕して 永田耕一郎
耕人に余呉の汀の照り昃り 長谷川久々子
耕していちにち遠き父祖の墓 黛 執
春耕や熊野の神を住まはせて 鈴木太郎
遠目には耕しの鍬遅きかな 福永鳴風
耕してふるさとを捨てぬ一俳徒 大木さつき
耕牛やどこかかならず日本海 加藤楸邨
耕して天にのぼるか対州馬 角川源義
春耕の振り向けば父き消ゆるかな 小澤克己
耕やせば土のぬくみの戦友くる 奥山甲子男
気の遠くなるまで生きて耕して 永田耕一郎
耕人に余呉の汀の照り昃り 長谷川久々子
耕していちにち遠き父祖の墓 黛 執
春耕や熊野の神を住まはせて 鈴木太郎
遠目には耕しの鍬遅きかな 福永鳴風
耕してふるさとを捨てぬ一俳徒 大木さつき
耕牛やどこかかならず日本海 加藤楸邨
耕して天にのぼるか対州馬 角川源義
春耕の振り向けば父き消ゆるかな 小澤克己