竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

烏瓜魂払ひせし墓の丘

2015-08-15 | 
烏瓜魂払ひせし墓の丘  たけし





墓終い をする家庭が増えているそうだ
自分らが亡くなった後の墓守を子孫に託す
これが難しくなってきている
元気な両親の家にもなかなか顔を出せない子供が
墓守をできるわけもないという次第だ
どこの墓域でも無縁仏の墓石が並んでいる

墓終いするときは墓から魂を抜く
「魂払い」という経を唱えるのだそうだ

墓所の丘には何故か烏瓜が多い

一会とはゆづりあふこと花野径

2015-08-13 | 
一会とはゆづりあふこと花野径  たけし



たくさんの一会を経ての今日
我を張って自我をとおしたことが幾たびもある
穏やかに黙って譲ったこともある

譲り合うことで人は生きるもののようだ
花野ではだれもが我先に身を引いて相手に譲る

花の優しさがどんな人をも穏やかにするのだろう

窮屈にいつも直立曼珠沙華

2015-08-11 | 
窮屈にいつも直立曼珠沙華  たけし





曼珠沙華は不思議な花だ
せまい場所に群生する
葉をつけずに真直ぐに直立して真っ赤に咲く
朽ちてもその色は変わらない
毎年 ときところを変えることなく
律儀にその姿をみせる

思いを残す女の情念のようにも思えてしまう

反故にせし誓ひかずかず星月夜

2015-08-08 | 
反故にせし誓ひかずかず星月夜 たけし



人生の節目節目にいくつかの誓いをしてきた
希望や約束とは違う
自分自身との意思の闘いだったように思う
やり遂げたもの叶えたものは多くはない
そのほとんどを反故にしてきた
理由や言い訳は確かにあるが
反故にした現実は紛れもない事実である

このゴッホの絵画の月と星
なんとも心象を見透かされているようで眩しい



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待つかたちもう鳴かないと秋の蝉

2015-08-07 | 
待つかたちもう鳴かないと秋の蝉  たけし


あのいのちの限りのような蝉の鳴き声が聞こえなくなった
庭のあちらこちらには落蝉が転がっている
樹木の幹にはじっと蝉が
何かを待つかのように止まっている
短い一生のおわり

大仏の胎のなかにてちちろ虫

2015-08-06 | 
大仏の胎のなかにてちちろ虫  たけし



立秋が近い
毎日猛暑日の記録が更新中だが一足先に秋の句
鎌倉の大仏の胎のなかに何度かお邪魔している
季節によって感じるものや発見がある
いつぞやは紛れこんだ「こおろぎが」鳴いていた

旦那寺の曝書に潜み幽霊図

2015-08-05 | 
旦那寺の曝書に潜み幽霊図 たけし



旦那寺は墓を管理してくれているお寺さん
菩提寺のことだが一般市民にはこちらのほうがなじむようだ

虫干し でお寺さんのたくさんの経典や
普段は人前に出さない宝物(?)やらを展げる

どこかに「幽霊図」が潜んでいる気配・・・

埴輪の目涼しきままの幾千年

2015-08-01 | 
埴輪の目涼しきままの幾千年 たけし




埴輪をみると不思議な感覚に囚われる
問答無用に五感が固まってしまう

どこかに人間の原風景があるのだろうか
その空洞の目
この涼しげな眼は幾千年も地球をみつめていたのだ