竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

念力のゆるめば死ぬる大暑かな  鬼城

2017-08-02 | 鬼城鑑賞
念力のゆるめば死ぬる大暑かな



季語:大暑ー夏  出典:大正6年版鬼城句集  年代:大正5年(1916年)以前
「言語道断の今年の暑さである。
常人といえども、
もし肝心の念力のゆるむ者がいたら、
その者は直ちに病んで
死んでしまうに創意ない。の意」(中村草田男)

流伴鑑賞
なんとも歯切れのよい断定だ
読者に有無をいわせない強さが心地よい
大暑のなかで頑張っている者へのエールにも聞こえる

夏草に這上がりたる捨蚕かな  鬼城

2017-08-01 | 鬼城鑑賞
夏草に這上がりたる捨蚕かな



季語:夏草ー夏  出典:大正6年版鬼城句集  年代:大正3年(1914年)
絶望視され、捨てられた小さな命(捨蚕)が、
夏の日の下にのび茂る夏草の上に、
いつか這い上がっている。
(捨蚕:病気にかかったり、
発育不良の蚕は、野原や川に捨てられる。)

流伴鑑賞

捨蚕の
死んでたまるか
鬼城自身の気迫を感じさせる
小さな命の必死な生命力が伝わってくる

村上鬼城
俳人。東京生。
名は荘太郎。鳥取藩士小原平之進の子、母方の村上家の養子。
初め司法官を志したが、耳疾のため代書人となる。
のち正岡子規・高浜虚子に師事、渡辺水巴・飯田蛇笏・前田普羅らと並んで「
ホトトギス」における代表的俳人として活躍した。昭和13年(1938)歿、74才。