ケンのブログ

日々の雑感や日記

水に流す

2018年11月13日 | 日記
松屋で食事をした。
おじさんの声が聞こえてきた。
「ちょっとおつゆこぼしもうたがな。
つゆだくってこんなにおつゆぎょうさん入っとるの?」とおじさんは言った。
「申し訳ございません。お客様のお服は大丈夫でしょうか」と
女性の店員さんが言った。
「服は大丈夫やけど、おつゆ入りすぎやがな
ちゃんと店の規定にしたがって、つゆだくのおつゆの量
入れてるの」とおじさんは言った。
「はい、分量はいれていると思います」と女性の店員さんは言った。
「分量入っとるか知らんけどほどほどにしてもらわんとな」とおじさんは
言った。
「申し訳ございません。作り直しいたします」と女性の店員さんは言った。
「そんなんええがな、今度から気を付けてもらえばすむことやし」と
おじさんは言った。
そうこうしているうちに厨房で男性の店員さんが
新しい牛飯を作ってきておじさんの前に出した。
「そんなんしてもらわんかてええがな
逆に気分悪いわ。作るんなら一発で
ちゃんとしたやつ作ってや。
どこでたのんでもこんなにおつゆの多いやつ来たことないで」とおじさんは
言った。
極力おじさんの方を見ないようにしていたので詳細は
わからないけれど結局おじさんはつゆだくのほうを
食べたのだと思う。
お店の側から見たらクレームは入る
こぼれたおつゆはふかなければならない
牛飯は二杯作らなければならないという状況に
くしくもなってしまった。
本当に外食産業というかもっと広くサービス業は
大変だなと思う。
おつゆこぼしてしまいました、ごめんなさい
ですむ話とも思えるのだけれど
そうはならないこだわりがおじさんにはあるのだと思う。
まあ、こだわりは人それぞれなので他人がどうこういうことでは
ないかも知れないけれど。
でも、こういうことが頻繁にあると
本当にどこからどんなクレームが来るかもしれない
という気持ちにお互いなってしまうこともあるような気がする。
なるべく穏便に時が流れればいいのにとは思う。

朝、ラジオを聞いていたら、日大のアメフトの選手が
関学の選手に危険なタックルをした問題で
立川地検は内田日大前監督が危険なタックルを
指示した事実の立件を見送る方針である旨が報じられた。
ニュースを報じたラジオのパーソナリティの方は
伝え終わったあと、これでは国民はとうてい納得
できませんと言っていた。
ごく個人的に
ラジオのパーソナリティが、立件しないという検察の
判断にたいしてよく調べもしないで
国民はとうてい納得できないなんていうべきではないのだろうと思った。
法律の専門家にはそれなりの事実認識が
あるのだろうと推察する。
確かに僕もタックルのシーンを映像で見たときには
ありえないことと思ったけれど
それと裁判の行方はまた話が別であるように思える。

過日、新聞の広告に出ていた樹木希林さんの
こんな言葉を思い出す。

今の世の中ってひとつ問題が起きるとみんなで
徹底的にやっつけるじゃない。
だから怖いの。
自分が当事者になることなんて
だれも考えていないんでしょうね。
日本には「水に流す」という言葉があるけど
桜の花は「水に流す」ということを表していると思うの。
中略
「水に流す」という考え方を
もう一度日本人は見直すべきではないかしら。

※この言葉は生前の樹木希林さんの言葉をもとに
広告用に製作したと僕が参照したサイトには
記載してありました。なので大筋は
樹木希林さんの言葉であるとおもいます。

許していては、悪いところが改まらないかも
しれないけれど
キリスト教のように許すという考え方も
大切であるように思う。

罪を一度もおかしたことのない人が
この女に石を投げなさい
というイエスの言葉はどこか心の片隅に
おいておくべきと思う。