おじぃの独り言

セミリタイアして第二の人生をエンジョイするおじぃの備忘録です。

幻のヘリオス酒造『主窯(ぬーしがま)』を求めて@沖縄名護

2018-06-06 05:33:09 | 旅行
600年の歴史を持つ泡盛の伝統的な熟成容器が「甕」です。泡盛を寝かせる甕は、通常「荒焼(アラヤチ)」と呼ばれる無釉の焼締め甕を用いますが、ただ通常の甕に入れておけば熟成するというものでもありません。



一般的に、長い年月をかけて甕に酒を寝かせておくことで、荒焼の甕に含まれている鉄分、カルシウム、マンガン等の土の成分が、熟成にとって欠かすことのできない重要な役割を果たすといわれています。



それはつまり甕を焼く以前、土選びから始まっているのです。



ヘリオス酒造は、平成15年12月、沖縄本島南部の具志頭(ぐしかみ)村のヘリオスブルワリー内に登り窯を完成させ、それを『主窯(ぬーしがま)』と名づけました。「沖縄の土」にとことんこだわり抜き、釉薬を一切使わない焼締め一本にこだわった窯でした。



『主窯(ぬーしがま)』は純粋に沖縄の土にこだわり、現在の沖縄県内ではあまり類を見ない高温、長時間の焼成を行っていました。



又、『主窯(ぬーしがま)』は薪で火をくべる「登り窯」で、電気窯やガス窯に比べてはるかに時間と手間がかかります。



しかしそういった、いわば自然との闘いのなかから生まれる作品は、電気やガスとは比べものにならないほど表情豊かなものとなります。



そして土の芯までしっかり焼き上がり、酒甕により高い質を与えてくれます。



残念ながら、現在、『主窯(ぬーしがま)』は閉められてしまい、ヘリオス酒造の甕は「沖縄県酒造協同組合」から送られてくる甕を使用しているそうです。



一方、ヘリオス酒造の『与那の蔵(よなのくら)』は、沖縄県北部・国頭村(くにがみそん)の与那トンネル跡を利用した貯蔵庫です。まさに泡盛の熟成にはこの上ない最適な環境で、古酒造りに『預り古酒』を承っています。



『主窯(ぬーしがま)』は極め付けの酒甕造りを目指したのですが、今では幻の窯となってしまいました。



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