小さな幸せ

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盤上の向日葵

2018-03-29 19:58:21 | 読書

 

 

柚月 裕子著

 

盤上の向日葵

 

 

読み終わりました

 

結構な長編です

 

今話題の将棋の世界

 

はさみ将棋位の知識しかないのですが

ひりひりするような上条桂介の心理状態を追いかけました

とっても読み応えのある563頁の小説でした

 

将棋の最高峰の竜昇戦

 

実業界から転身して特例でプロになった東大卒の

上条桂介6段がタイトル初挑戦するところから始まります

 

その頃、ある捜査が始まっていました

 

白骨化した遺体が発見

その遺体と一緒に将棋の駒も発見されます

 

初代菊水月 作

錦旗島黄楊根杢盛り上げ駒

値段をつければおよそ六百万円

 

その捜査に当たったのが

腕はいいがひとくせある石破警部補と

元奨励会員の佐野巡査

 

そして話は

上条桂介の幼少時にさかのぼります

 

彼の母が亡くなったときから

父親は自暴自棄になり

飲んでは賭け事をし、育児放棄に虐待

 

そんな桂介の将棋の才能を見つけた元教師の唐沢

彼を自分たち夫婦が引き取りたいと思うが

親子の縁はそう簡単には切り離すことはできない

父親はいずれ自分を養わせようと彼を手放さない

 

桂介は、奨学金で高校を卒業し、東大に合格する

ずっと自分を見守ってくれた唐沢夫婦に合格の報告に行く

 

お祝いに、初代菊水月作の駒を桂介にプレゼントする

 

その時点で、あの犯人は桂介?

殺されたのは彼の父親?

でも、それなら大切な人にいただいた駒を一緒に埋めるはずはないし・・・

と思うわけで

 

 

桂介は東大生時代に偶然ある人物と出会う

彼との出会いがなければと思うのですが

出会ってしまったのです

 

その名は、東明重慶

人呼んで

鬼殺しのジュウケイ

賭け将棋で飯を食べている男である

 

悪い男なのよ、この男も(彼の父親もだけど)

大事な大事なあの駒を持ち逃げされたりもします

 

でも、将棋が強いのです、彼は

 

桂介は東大を卒業、就職

その後、ソフトウエア会社をたちあげます

時代の波に乗り、IT企業の旗手といわれます

 

その成功を父親が知り

頻繁にたかりにきます

 

そして、とうとう自分の出生の真実を父親から聞かされます

 

このろくでなしが父親ではなかったことは幸せなことだったのですが

真実は余りにもショッキングな内容でした

 

また、そんな時、東明が尋ねてきます

 

そして、彼に頼みます、父親殺しを・・・・

 

石破警部補と佐野巡査は

あの駒の持ち主を探しあて

 

今まさに、竜昇戦の試合会場に向かいます

 

そして、上条桂介は・・・・

 

 

桂介があの時唐沢夫婦の養子になれていたなら

桂介が東明に出会っていなければ

父親に出生の事実を聞かされなかったら

 

と思うのですが

それでは小説になりませんね

 

お勧めの一冊です

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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