藤岡陽子著
「テミスの休息」
読書ブログでこの本を勧めていました
藤岡陽子さんは初めての作家さん
最初、「テニスの休息」
と、思い
テニスの練習をたまには休んで・・・
みたいな話と思い、読み始めました
本当に知らないって怖いですね~
読み進むうちに、
え、法律事務所?
弁護士?
何か変
表紙を見返すと
「テミスの休息」
テニスじゃな~い
じゃあ、テミスって何???
文中より
涼子は、芳川のデスクの上に置いてあるテミス像に目を向けた。
この事務所を立ち上げた時に北門が贈ってくれたものだが、
テミスとは、もともとギリシャ神話に出てくる正義の女神のことらしい。
片手に天秤、もう一方の手に剣を持ち、法律が公正で厳格なものであることを
示している。
偏見を持たずに裁く、という意味で目隠しされた像もあるようだが、
「何も見えないんじゃあ、退屈だろう」
という理由で、北門は両目を見開いたものを選んできた。
テミスは今日も、ニコリともせず背筋を伸ばしてこちらを見ている。
27ページ目でやっとテミスのことがわかりました
この事務所の芳川弁護士とそこで働くシングルマザー涼子
ここへ色んなもめ事がまいこみます
そのなかで
「もう一度、パスを」
は物凄く泣けました
この芳川弁護士が
秋の小春日和を背中に感じさせてくれるような人柄
そこがこの本の面白さです
最後にここで働く涼子が
芳川法律事務所は、依頼人にとって休息の場なのかもしれません。
どんなに強い人でも、闘い続けることはできませんから。
うちのテミス像も時々は、剣や天秤を先生に預けてほっこりしてるんですよ
何とも読後感のいい本でした